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狂乱壊
荒らし・迷惑行為・中傷などはおやめください。(それらに準ずるコメント類もこちらの一存にて削除させていただきますのでご了承ください)

人間と、神様と、(裏切ったのは、どちら)

刹マリ?マリ刹?小説

23話後の偽造甚だしい話
どんな設定でもどんな展開でも自分の想像力でカバー出来るし許せるっていう広量な方のみどうぞ









あぁ、自分はこんなにも無力だ




















目の前で少年が泣いている
何故か、自分の胸で






彼が深夜に自分の寝室に侵入するのは、これが初めてではなかった
だから、彼が居ることに最初ほどの驚きはなかった
しかし、突拍子もなく自分に抱きついてきて、しかも泣きだすとは思わなかった

抱きつかれた瞬間は酷く驚いた
思わず声をあげそうになったが、今王宮の誰かにこの少年の存在を知られるわけにはいかないと反射的に思い、何とか身体を強ばらせる程度にとどめた
その代償か、その後暫く、マリナは自分の置かれている状況を理解出来なかった
だが、彼の身体が微かに震えているのと、自分の寝間着に徐々に濡れていく感触があることから、マリナは彼が泣いていることに気付いた

それを理解した途端、マリナの心の中には二つの感情が芽生えた









一つは、今まで彼に持っていたイメージが今の彼には欠けらもないことへの戸惑い

彼と初めて会った時の第一印象は、強い意志を宿した瞳を持つ少年だと思った
そしてその通り、彼はその瞳に相応しい、迷いの無い力強い意志と力を持っていた
強く、まっすぐで、前だけを見て、決して弱さを見せることのないこの自分より幼い少年を、マリナは少なからず尊敬していた
戦争を武力で根絶するというそれ自体には賛同できなかったが、その意志の強さは自分の模範とすべきものだと思っていた


だから、そんな彼が、縋りつく様にして自分に泣き付いてくるなど、思ってもみなかったのだ








そしてもう一つは、泣いている彼に対する行き場の無い切なさ

彼がどうして泣いているのかはマリナは知らない
少年はただ泣いているだけで何も言わないし、いつも一緒にいたわけではないので、何があったのかなんて分かり様が無い
そもそもマリナは彼自身のことすらよく知らないのだ
出会った回数も、言葉を交わした回数も、本当に数えるほどしかない
共に共有した時間だって、総計してもほぼ僅かな時間にしかならない
だから慰め様にも慰め方が分からないし、励まそうにも言葉が見つからない
理由を聞けば何か言い様があるのかもしれないが、理由を聞ける雰囲気ではないし、それを聞く権利が自分にあるとも思えない
下手に何か言えば余計傷つけるかもしれないし、それ以前に彼に自分の声が彼に届くとも思えない


国を救えないどころか目の前の一人の少年も救えないなんて、マリナは自分の無力さがつくづく嫌になった






けれど今、此処で泣いてはいけないと思った

悲しいのはこの少年であり、自分ではない
共に泣けというのならそれは簡単だが、そんなこと目の前の彼は望んでいないだろう




自分が泣いても何にもならないし、どうにもならない




いくら世間知らずといえど、国を担う皇女として、そのくらいのことはマリナは学んでいた














けれど、自分が無力なのは変わらない


自分の胸の中で泣いている、普段大人びた少年は、泣くことによってやっと年齢相応に見えた



しかし、マリナはそんな少年に何もしてあげられない
何も変えてあげられない


ただ抱き締めて、彼が泣き止むのを待つしか出来ないのだ

















それしか出来ない



それしか、出来なかった
















抱き締める彼の身体は自分とそう変わらないのに、酷く儚く小さく感じた
自分の胸の中で泣く彼は、自分に抱き締められてもそれを拒むことはなかった


耳元から聞こえる声は押し殺されていて、けれどどうしようもなく傷ついている様な泣き声だった




後悔、しているのだろうか

それとも、ただ悲しいのだろうか

受け入れたくない何かが あったのだろうか





いくつもの仮定がマリナの中から生まれ、そして消えていく




































そうやって、一体どれだけの時間が過ぎただろうか

時間の感覚が麻痺していたので、実際のところは分からなかったが、マリナにはとても長い時間が過ぎたように感じられた





「……俺は………っっ」





自分の胸でただ泣いていた少年が、小さく口を開いた
その声が涙で滲んだように擦れていて、マリナの中で痛々しく響いた


衝動的に涙が溢れそうになった
けれどそれを堪えて、マリナは少年の声に静かに耳を傾けた





「俺は………っっ、ガンダムではなかった…………っっ」





彼が吐き出すように放った言葉は、正直理解しがたいものだった
しかし、この声に、この響きに込められた想いは、マリナに痛いほど伝わり、同時に良く分かった







































だってこれは、この想いは…………―――





          ―――いつも自分が自身に感じているのと同じ想い












































自分の無力さを、 惨めで 情けなくて 何も出来ないちっぽけな自分の存在を、最悪の形で痛感した時の、裂かれるような心の 痛み




































「だから……、助けられなかった………っっ!!

…………っっ………っ間に合わなかった………っっ!!」





絞りだすように聞こえた悲鳴のような声に耐えられず、遂にマリナは涙を流してしまった


自分より強いと思っていた彼が、自分と同じ想いを抱え、泣いている
こんなに強い彼でも、自分と同じ感情を持ち、それに足掻こうと懸命になっている
その事実が、自分の架空の感情とは思えずマリナの涙腺を破水させた











これは、共感していると言うのだろうか


分かりあえていると言えば美しいだろうか







分からない  けれどただ悲しかった
























































だが、泣いてばかりもいられない


どんなに中傷していても、時間は流れる
現実は容赦なく、ただ未来に向かって走り続けている
この世界で生きている以上、自分達は立ち止まり続けることなど出来やしないのだ




この自分ですら分かっているのだから、この聡い少年がそれに気付いていないことはないだろう





きっと明日になれば、朝日が昇れば、自分は国の内紛を静める為のお飾りの姫に戻り、彼もまた、戦争根絶という目的のために前線を駆ける一人の戦士に戻る
















わかっている





何を妬んでも  

何を悔やんでも

何を憎んでも






今更、掌を返したように もう後戻りは出来ない






















でも今は




共にぬくもりを分かち合い 共に涙を流していたい
同じ痛みを、同じ想いのために、抱き締める腕だけを ただ、強く


そう思うのは自分だけだろうか?

自分だけのエゴだろうか










そう思うマリナの心を知ってか知らずか、マリナを抱き締める少年の腕に、更に力が加えられた
















































ねぇでも決して、それを無駄とは思わないのです







(だって わたしたちは――――)
























*****************





あとがき


23話後衝動的に書いた意味不明小説
本当は兄貴出すつもりだったんですが、悲しいからって無理やり刹マリにする自分

でもまだ兄貴がどうなったか分からないので死んだという確実な証拠を見てから泣きます。でも悲しい……。いや、兄貴かっこよかったけど



24話の予告では刹那がありのままの現実を受け止めていて、現実を受け入れられていないティエリアに掴みかかられている。と言う風に見えたので、おそらく刹那は仲間が死んでもそれを受け入れて涙を流して悲しんで、それでも前に進むのでしょう

でも、仲間の前で自分の弱い所を見せたくないので(唯一見せられるロックオンがいないし)、マリナの元に行って傷ついた心を癒してくるという刹那。そんな感じの小説を書きたかったんですが、どうも難しい



刹那とマリナは恋愛でもいいけど、互いに支えあうだけの関係でもいい
そしてマリナさんはきっと涙脆い





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  1. 2008/03/16(日) 17:16:21|
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