FC2ブログ

狂乱壊
荒らし・迷惑行為・中傷などはおやめください。(それらに準ずるコメント類もこちらの一存にて削除させていただきますのでご了承ください)

子供は運がいい

星の王子様パロ
ロクティエなんだかロクアレなんだか
ティエリアクローンねた

設定が何もかもぐちゃぐちゃで曖昧







ロックオン・ストラトスがソレスタルビーイングに入ると、そこには既にティエリア・アーデと言う存在がいた


ティエリア・アーデはロックオン・ストラトスと同じくガンダムマイスターであり、とても美しい人だった。ロックオン・ストラトスは美形と呼ばれる部類の男だったので、その辺の男よりは美人に免疫があると自負していたが、そのロックオン・ストラトスですら、初めてティエリア・アーデを見たとき、とても美しい人だと思った
けれどティエリア・アーデがあまり謙虚な性格ではないことに、ロックオン・ストラトスはすぐに気付くことになった。でも、それも無理はないと思わせるほどティエリア・アーデは美しかった。ティエリア・アーデは常に任務に忠実だった。真面目で、冷静沈着で、プライドが高く、全身からトゲを出しているようなタイプの人間だった

トレミーの誰かが言った
「ティエリアは、一人が好きなんだろう」
その言葉に、トレミーの誰もが頷いた。けれどロックオン・ストラトスは違った



ロックオン・ストラトスは知っていた

ティエリア・アーデは弱い
ティエリア・アーデはなんにも知らない
でも、出来るだけ自分は大丈夫だと思っていたいのだ
トゲがあれば、みんなが怖がると思っているのだ
弱さを補うために、ティエリア・アーデはトゲを持っているのだ
『強くあらねばならない』『弱さを見せてはいけない』その信念のために、ティエリア・アーデのトゲは存在した

それを、ロックオン・ストラトスだけは知っていた
だから、ロックオン・ストラトスは出来うる限りティエリア・アーデを大切にした。親しげに話しかけることはもちろん、相談に乗ったりもした。笑いかけたり、身を挺して守ったことすらあった。ティエリア・アーデは自分が見た全てのなかで一番美しい人間だと、ロックオン・ストラトスは思っていた




しかし、ロックオン・ストラトスが一人、薄暗いヴェーダの一室に行き当た時のことだった。そこには大型コンピュータや無影灯付きの手術台。そして奥には液が並々と充ちた、大人が一人入れるほどの細長い円柱のガラスケースが数え切れないほど並んでいた。ロックオン・ストラトスはそのケースのなかを見た。液体から透けて見える彼らは、ティエリア・アーデと、とてもよく似ていた
「お前たちは誰だ?」
ロックオン・ストラトスは驚愕したまま尋ねた

すると


「俺は、」「僕は、」「私は、」
「「「ティエリア・アーデだ」」」



一斉に、一呼吸もずれることなく、ケースの中の全員がそう答えた。そして彼らは言った。自分たちもまたティエリア・アーデであり、今トレミーに存在するティエリア・アーデが死亡したときのスペアパーツなのだと。それを聞いたとき、ロックオン・ストラトスはとても悲しい気持ちになった。ティエリア・アーデは、自分はこの宇宙にたった一人しかいない“ヴェーダの申し子”なのだと言っていた。それなのに、ここにはティエリア・アーデと同じ人間がたくさんいる!!これを知ったらティエリア・アーデはとてもショックを受けてしまうだろうな、とロックオン・ストラトスは考えた。自分のアイデンティティを無くして悲しんで、辛い思いをして、弱々しく壊死してしまうかもしれない……。それからロックオン・ストラトスはこう考えた――ティエリア・アーデの存在は稀有だと思っていた。けれどティエリア・アーデの代わりはたくさんいる……。ロックオン・ストラトスは一人、静かに泣いた




トレミーに戻ると、新しいガンダムマイスターを紹介された。名を、アレルヤ・ハプティズム、と紹介された
「こんにちは」
とアレルヤ・ハプティズムは言った
「こんにちは」とロックオン・ストラトスは親しげに答えた
けれど、アレルヤ・ハプティズムは痛々しげに顔を歪めた
「あなた、悲しそうな顔をしてる」
「そう見えるのか?」
ロックオン・ストラトスがそう尋ねると、アレルヤ・ハプティズムは頷いた
「少し話さないか?」ロックオン・ストラトスは提案した
すると驚いたようにアレルヤ・ハプティズムは言った
「僕を飼い馴らしてくれるの?」
「飼い馴らす?」
ロックオン・ストラトスは言った。それから、少し考えて、尋ねた
「なぁ、飼い慣らす、ってどういう意味だ?」
「みんなが忘れていることだけど」
とアレルヤ・ハプティズムは言った
「それは、絆を作る、ってことなんだって」そう、ハレルヤが言っていた。とアレルヤ・ハプティズムは話した
「絆を作る、って?」
「いいかい、貴方はまだ僕にとっては数十億のよく似た人間のうちの一人でしかない。僕は貴方がいなくたって別にかまわない。同じように、貴方だって僕がいなくてもかまわない。僕もまだ、貴方にとって数十億の人間のうちの一人でしかない。でも、貴方が僕を飼い慣らしたら、僕と貴方は互いになくてはならない仲になる。貴方は僕にとって世界でたった一人の人になるんだ。僕も貴方にとって世界でたった一人の……」
「なるほど、なんとなく分かってきた」と、ロックオン・ストラトスは言った
「このトレミーにいるもう一人のガンダムマイスター……、ティエリア・アーデって言うヤツがいるんだけどな……ティエリアは俺を飼い慣らしたんだけど……」
「そういうこともあるだろうね」

「“飼い馴らす”と言うことは、同時に“飼い馴らされる”ことだから……」とアレルヤ・ハプティズムは言った
ロックオン・ストラトスはこの僅かな会話の中で、アレルヤ・ハプティズムと仲良くなりたいと思った。だからまた提案した
「アレルヤ、俺はお前とも絆を作りたい。だから、俺はお前を飼い慣らしたいと思う。どうだ?」
駄目か?とロックオン・ストラトスが言うと、アレルヤ・ハプティズムはちょっと困った顔をした
「うん。僕も貴方と仲良くなりたい。絆を作りたいと思う。飼い慣らしあう仲になりたいよ。僕はずっと単調に暮らしてきた。人間はみんなよく似ている。だから僕には世界が少しぼやけて見えている。でももし貴方が僕を飼い慣らしてくれれば、世界をクリアに見れるかもしれない。例えば人にまぎれて街に出ても、人のざわめきに対して僕は何にも感じない。でももし貴方との待ち合わせで街に出たとしたら?人のざわめきの中から僕を呼ぶ貴方の声を探す。近づいてくる貴方の足音を探す。すると騒がしいと感じることすらあった人のざわめきが心地よく聞こえるようになる。今まで僕は青空を見ても何とも思わなかった。青空は僕に何の思い入れもない無縁の存在だ。これってとっても寂しいことだ!!でも貴方は青空の瞳をしている。貴方が僕を飼い慣らしたらどんなに素晴らしいだろう!!青空は貴方の瞳と同じ色だから、僕は青空を見ると貴方を思い出すようになる。僕は貴方のことを想って、青空を見るのが好きになる……」
その瞬間を想像したのか、アレルヤ・ハプティズムはしばらくうっとりとした表情をして、長いあいだロックオン・ストラトスを見ていた
「でも、」
とアレルヤ・ハプティズムは困ったような表情に戻った
「僕たちはソレスタルビーイングのガンダムマイスター。常に戦場で戦う存在。いつ消えるか分からない命を飼い慣らすことはとってもリスクが高いんだ。いや……、命が明日消えるかも、と覚悟しているだけ、僕らは民間人よりマシなのかもしれない。でも、貴方が僕を飼い慣らしたら、僕が死んだとき、貴方はきっと泣くよ。逆に貴方が死んだときは、きっと僕も
……それでも、貴方は僕を飼い慣らしてくれるのかい?」
そう尋ねるアレルヤ・ハプティズムに、ロックオン・ストラトスは難しく考えることなく頷いた。アレルヤ・ハプティズムとの絆を作ることが、この時のロックオン・ストラトスの望みであったし、命をかける覚悟もリスクも、ソレスタルビーイングに入る時に既にしていたからだ




こうして、ロックオン・ストラトスはアレルヤ・ハプティズムを飼い慣らした。そして、いくらかの月日が過ぎ、刹那・F・セイエイと言うガンダムマイスターがソレスタルビーイングに入り、世界に対してソレスタルビーイングが武力による戦争根絶を宣言し、ロックオン・ストラトスが戦闘中に片目を失った数日後のこと―――

「無茶しちゃダメだよロックオン。ロックオンが死んだら、きっと僕は泣くよ」
「俺もだよ、アレルヤ。分かってたつもりだったけど……、いざこうなると、きついモンだな……」
ロックオン・ストラトスは言う
「……なぁアレルヤ。俺がお前を飼い慣らしたのは間違いだったのか?」
「そんなことはないよロックオン」
「でも俺がお前を飼い慣らさなかったら、俺が死んでもお前は泣かなかったし、お前が死んでも俺は泣かなかった。悲しむこともなかったんじゃないか?」
「そうだね。きっとその通りだ」とアレルヤは言った
「じゃああの時、俺は頷くべきじゃなかったのか?」
「そんな悲しいこと言わないでよロックオン。僕は君が頷いてくれたことに感謝してるし、青空の色の分だけ得をしているよ」
とアレルヤ・ハプティズムは言った

それから、こう言い足した――
「嘘だと思うのなら、もう一度あのヴェーダの一室のティエリアに似た人たちを見ておいでよ。君の仲間のティエリアは世界に一人しかいないってことが分かるはずだから。そしたら戻ってきて僕におしえて。ご褒美に秘密を教えてあげるから」
ロックオン・ストラトスはもう一度ヴェーダの中のティエリアに似た彼らを見に行った――

「お前さん達は俺の知るティエリアとは全然似てないな。お前さん達はまだ何でもない」
とロックオン・ストラトスは言った
「誰もお前さん達を飼い慣らしてねぇし、お前さん達だって誰も飼い慣らしてないからな。お前さん達は以前のアレルヤに似ている。アレルヤは前は数十億の人間たちの誰とも違わないただの人間だった。でも俺たちは仲間になったし、今ではアレルヤは世界でただ一人のアレルヤだ」
ティエリア・アーデの姿をした彼らはみな、ケースの中で当惑していた
「お前さん達はきれいだよ。でも空っぽだ」
とロックオン・ストラトスは続けた
「誰もお前さん達のためには死ねない。もちろん、通りすがりの奴らは俺の知るティエリアを見て、お前さん達と同じ一人だと考えるだろう。でも、俺にとってあのティエリアはお前さん達をぜんぶ合わせたよりもっと大事だ。なぜって、俺が大切に想っているのは他ならぬあのティエリアだから。俺が笑いかけたいと思うのはあのティエリアだから。どんなに冷たい態度を取られてもめげずに話しかけたのはあのティエリアだから。俺に悩みを打ち明けて俺を頼ってくれたのはあのティエリアだから。身を挺してまで俺が守ったのはあのティエリアだから。なぜって、あいつが俺の仲間のティエリアだから」
ロックオン・ストラトスはトレミーに戻り、アレルヤ・ハプティズムのところに行った
「ただいま」
とロックオン・ストラトスは言った
「おかえり」とアレルヤ・ハプティズムは言った

「じゃ秘密を言うよ。簡単なことなんだ―――。ものは心で見る。肝心なことは目では見えない」
「肝心なことは目では見えない」とロックオン・ストラトスは忘れないために繰り返した
「きみがティエリアのために費やした時間の分だけ、ティエリアはきみにとって大事なんだ」
「俺がティエリアのために費やした時間の分だけ、ティエリアは……」とロックオン・ストラトスは忘れないために繰り返した
「人はこういう心理を忘れている」
とアレルヤ・ハプティズムは言った
「でもロックオンは忘れちゃいけない。飼い馴らしたものには、いつだって、きみには責任がある。きみは、きみの知るティエリアを飼い慣らした責任がある……」
「俺は、俺の知るティエリアを飼い慣らした責任がある……」
とロックオン・ストラトスは忘れないために繰り返した





その数日後、ロックオン・ストラトスは戦場で行方不明となり、死亡という記録をソレスタルビーイングの歴史に刻むこととなる
ティエリア・アーデは滅多に崩さない表情を存分に崩して、悲しみに声を張りあげた
アレルヤ・ハプティズムは『ありがとう』と微笑んで、ほんの少しだけ、泣いた





スポンサーサイト





  1. 2008/04/13(日) 07:51:13|
  2. ガンダム00小説|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

  

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://destroy69.blog43.fc2.com/tb.php/262-6c0f8f7c