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狂乱壊
荒らし・迷惑行為・中傷などはおやめください。(それらに準ずるコメント類もこちらの一存にて削除させていただきますのでご了承ください)

1month after

















あの大地震から一ヶ月たった。








数少ない地面のひび割れは完璧に修復され、色んな雑誌や新聞の記者も少なくなってきた。
これはそんな頃に起きた、ちょっとした事件である



「なぁなぁツナ!!ちょっと付き合えよ!!面白いもん見れるぜ~っ!!」



いつもの放課後、帰ろうとしていた俺たちの元にやってきたのはまばゆい金髪の外人、ディーノさんだった。キラキラと金髪が揺れ、楽しそうな微笑みがまぶしい



「ディ、ディーノさん。どうしたんですか?」



山本は嬉しそうにディーノさんに「お久しぶりっす」挨拶したが、獄寺君は苦そうな顔をして「また来やがったのか…」と呟いている。しかし、今日のディーノさんは機嫌が良いというかやけに生き生きしている。何か良いことでも合ったのだろうか



「聞いて驚けよ~お前ら~。なんとな!!恭弥に“La bella addormentata nel bosco”がいるらしいんだ!!」

「ラ…?なんですか?それ」

「“SleepingBeauty”ジャッポーネでは“眠り姫”?“眠りの森の美女”?だったか?」



日本語に訳されてやっと意味が分かった。女の子なら誰でも知ってる、俺でも内容くらいは知ってるメジャーなおとぎ話だ



「眠り姫なら分かりますけど……、雲雀さんに眠り姫がいるってどういうことですか?」



そう尋ねると、ディーノさんはにんまりと笑った。まるでいたずらを思いついた子供のようというか、その質問を待ってましたというような笑みだった



「さっき恭弥に会いに行ったら草壁が居てな、ちょっと世間話してたら漏らしたんだよ!!恭弥の眠り姫の話!!」

「姫……?」

「彼女ってことっすか?」

「あ?ありえねーだろ!!どこの物好きだ、あんなヤローの女になろーなんて奴っ!!」

「いや、別に彼女じゃないみたいなんだけどな……、」



ちょっと耳貸せと手を動かすディーノさんがコソコソと話す。そして、いまいち理解出来てない俺たちに、驚くべきことを説明し始めた



「(どうやら、恭弥が道に倒れてた女の子を助けたらしい)」

「「「は?」」」

「(それで、恭弥自ら並森中央病院に入院させて、未だ意識が戻ってないんだけど、恭弥が毎日様子を見に行ってるらしいんだ)」




「雲雀さんが?」

「女を助けて?」

「毎日見舞いに?」












思わず言われたことを反復して考えてみた。















……………。












…………………………。

















この際、はっきり言おう










「ち、ちょっと想像できませんね」

「あ、ありえねー……」

「雲雀が人助けか~、珍しいな~~」

「だろっ!?」と、欲しかった反応だったのか満面の笑みを浮かべてディーノさんはまくし立てる。





あの雲雀さんが人助け………。


今まで色々と助けてもらっておいてなんだけど、正直想像出来ない。
どんなに頭をフル回転してもイメージ出来なかった



「だからさっ、ちょっと見にいこーぜ。あの恭弥が助けたっていう女の子!!」




そう言われて、俺たちはディーノさんに連れられるまま、並森中央病院に向かった。






























++++++++++++++++++++++++++


















ディーノさんの部下の人たちに送ってもらって、俺たちは並森中央病院にやってきた。
手には果物と花束と、お見舞いのセオリーを持っている



「……ディーノさん、やっぱりあんまり良くないんじゃないですか……、知り合いでもない女の子のとこに………」

「だいじょ~ぶだいじょ~ぶっ。ただ見舞いに行くだけだぜ?嫌な気なんかしないってっ」

「それに目覚めてないとか……かなり重症なんじゃ………」

「そんなはずねーよ。ただ寝てるだけだって草壁も言ってたしっ」



生き生きと一番前を歩くディーノさんは颯爽と歩いては時折つまずき、時に転んでいる。
しかも何もないところで。
当のディーノさんはケロリとしているが、俺はお見舞いに来たはずが逆にディーノさんが入院するのではないかと笑えないことを考えていた。



そして何故か業務用のエレベーターに乗り(白衣を来た人が慌てて止めに入ってきたが、ディーノさんが「恭弥の知り合いだ」と言うとあっさり通してくれた)ロックキーのかかった扉をくぐり抜け(何故かディーノさんがカードキーを持っていた)、以前俺が入院した(させられた?)研究室か解剖室かよく分からない部屋の前に来た。
そしてその扉の前でディーノさんがピタリと止まった



「(部屋の番号はわかんねーけど、多分ここだ)」

「(何で分かんだよ)」


「(部下に恭弥を見張らせたから!!)」











部下の人に何させてるんですかディーノさん!?









意気揚々と答えたディーノさんに獄寺君はしばらくあんぐりと口を開けて呆れている



「(てめー……、キャバッローネはそんなに暇なのかよ……)」

「(何言ってんだ!!あの恭弥の彼女になるかもしれない子なんだぞ!!ほっといたら恭弥のDVの餌食になるのは眼に見えてんだろーが!!)」



師匠としての使命だと言わんばかりの態度でディーノさんは小声で力説する。ディーノさんの中で、その女の子は既に雲雀さんの彼女(候補)らしい。
そんなディーノさんはその勢いのままこっそりと扉に耳をつけ、中の様子を疑う



「(……よし、恭弥はいねーみたいだな……)」

「(ディ、ディーノさん、やっぱり止めたほうが……)」

「(大丈夫だいじょーぶ……)」



ディーノさんが筆頭になって手を当ててゆっくりとノブを回し扉を開ける。




































「―――――あれ?」









慎重に開かれた扉の奥には誰もいなかった。










ぽつんと置かれた担架かストレッチャーか分からないベッドはあるが、人影一つ、否、人が使っていた形跡すらなかった



「いない……」

「………、もぬけの殻、か」



何処か残念そうにディーノさんが呟く。



「なんだよ、誰もいねーじゃねーかよ」

「おっかしーな……」

「部屋が違うんじゃないっすか?」

「いや、確かに此処だったはずなんだ……」

「無駄足かよ!!んだよ、せっかく人が忙しい中付き合ってやったってーのに!!」

「悪ぃわりぃ。夕飯おごってやっから機嫌直せよスモーキンボム」

「いらねーよ!!」



謝るディーノさんに食いかかっていく獄寺君。今にもダイナマイトを持ち出しそうな勢いに、俺は思わず首をすくめた



「まーまー獄寺。入院してないんならもう回復して退院したのかもしれないぜ。良いことじゃねーか」

「そっ、そーだよ獄寺君!!きっと退院したんだよっ!良いことじゃない!!」

「流石10代目っ!!なんてお優しい!!」



明るく笑う山本の言葉に、確かにその通りだと必死に頷くと、獄寺君もやっとニカッと笑ってくれた。








そんなこんなで、雲雀さんの眠り姫(仮)騒動は幕を引いた。






















部屋を出る際の、ディーノさん眼がどこか名残惜しそうなのが印象的だった













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  1. 2012/02/25(土) 15:09:35|
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