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狂乱壊
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ユノの祝福は光を差すと共に深い影をももたらすか

『ユノの祝福』シリーズおまけその②

裏話

















次の日、資産家や富豪御用達のホテルの最上階レストランで、昨日結婚式を台無しにした主犯が、結婚式を台無しにされたゾルディック家の長男に、まるで国賓のようにもてなされていた







「ありがとうクロロ。今回だけは礼を言っとくよ」

「まぁ、団員の為でもあったからな。気にするな」



テーブルに豪華な食事が所狭しと並ぶ中、黙々と二人の食事は続いている
大事な結婚式を台無しにした親玉とその被害者家族の会合としては、そこの空気はあまりに穏便で平和的だった
どちらかと言うと、まるで長年の付き合いのある友人同士のような空気にさえ思えた
さすがに、和気藹々。とはとても言いがたかったが、それでも二人とも居心地の悪さを覚えた様子はない
完璧な作法で食事をしながら、二人の事務的な会話は続く



「――― だが、良かったのかイルミ。一応、母親の決めた縁談だったんだろう?」



案じるように聞くクロロに、イルミは首を横に振りながら言った



「いいの。ゾルディック家はキルが継ぐの。代わりとかましてや予備とかいらない。絶対ダメ」



むしろ殺してくれて良かったよあんなどこの馬とも知れない奴。と、相変わらず淡々と容赦無いことを言う



そう、実はクロロが幻影旅団を動かした理由は、何も自己判断だけが理由ではない
この眼の前の馴染みの男に頼まれたのが、そもそものきっかけだったのだ
クロロにカルトの結婚式の招待状を持ってきたのが彼ならば、カルトの結婚が政略結婚であることをバラしたのも、カルトの結婚相手が流星街の人間であり玉の輿狙いであることを教えたのも、クロロにカルトの結婚式をブチ壊すように依頼したのも、幻影旅団を内密にゾルディック家敷地内に招き結婚式に紛れ込ませたのも、全て彼の仕業だった




何故彼が、そこまでして母の決めた政略結婚を破談させたのか






理由は勿論ただ一つ













自分が手塩にかけて育てた弟の居場所を守るためだ
















――― 全ては、ゾルディック家の正当後継者である 自分の弟の座るべき椅子を守るため。だ













そんな通常運転なイルミを見て、そうまでして弟に家を継がせたいのか。と呆れるクロロ
しかし、彼はそんなクロロには見向きもせず、そのまま更に淡々とこう続けた




「――― それに、あのままだったらカルトが死んじゃってたし」



不可解なセリフに、一瞬戸惑ったクロロだったが、すぐに「あぁ」と、合点がいったような声を上げた



「フェイタンのことか?それなら心配ない。うちは団員同士のマジ切れ御法度だ。そんなことにはならない」




もし、カルトがあのままあの婚約者と結婚していたら、確かにフェイタンはカルトを許さなかっただろう
感情の赴くまま暴れまわって、手が付けられないほど酷いことになっていたかもしれない
しかし、確かに彼は好戦的な性格ではあるが、決して団長命令を無視するような団員ではない
例え逆上しても、ルールに反することは絶対にしない
だから、例えカルトがあのまま結婚したとしても、怒りこそすれ殺したりなどしない



クロロは、イルミを安心させるつもりでそう言った















安心、させるつもりだった






















しかし、イルミは首を横に振りながら、何でもないことのようにこう言った















「いや、自殺で」




その言葉に、クロロは隠す素振りもなく訝しげにイルミを見た
イルミの言っている意味がよく分からなかったのだ



しかし、イルミは全く表情を変えなかった
































――― ゾルディック家は良くも悪くも全員が完璧主義だ









才能に恵まれ、
家柄に恵まれ、
育ちに恵まれ、
特別に恵まれた一族








故に、一族全員のプライドもまた高く、完璧であることが当然だった






そしてそんな一族の末子であるカルトは、当然のように完璧を求めるあまりにそれ故の完璧主義者だった
禁欲的なまでに完璧を求めて完璧を求めるが故に潔癖だった


























――― そう、それは勿論、恋愛に対しても










カルトがあの男と契りを交わす瞬間、カルトは当たり前のように舌を咬みちぎろうとしていた
カルトは無意識のようだったが、イルミには分かる





昨日のあの日、旅団が来ようが来まいが、滞りなく結婚式が終わることなどありはしなかった


旅団が来ればあの男が死んだ
旅団が来なければカルトが自害していた


どちらかが死ぬ。と言うことだけは既に決まっていて、その「どちらか」だけが違いだったのだと、そう言うイルミはやはり淡々としていた






仮にも、妹の自殺未遂について、口にしているはずなのに




























――― しかし、そんなイルミに特に驚いた様子もなく、クロロはいつものように冷静に、ふむ。と一つ頷いた




「恋は賢者をも愚者にする。か、末恐ろしいな」





その発言はカルトに対してか、恋慕そのものに対してか、分からなかった
イルミもイルミで、まるで表情一つ変えないままに、しかし他人事のようにため息をついた






「全く、我が妹ながらブッ飛んでるよなと思うよ」





実弟の頭に針を刺して矯正するのも、まともとは言えない気がするが
クロロはイルミがそんなことをしていたとは知らないので、至極当然のようにこう返した



















「盗賊にまともな奴なんているわけないだろ」



「暗殺一家にもね」
























どっちもどっち
似たり寄ったり
五十歩百歩






しかし、そうでないと勤まらないのかもしれない











































――― ある遊女は、こう言った


『女は、愛した男の最初の女になりたいものだ』














――― またある娼婦は、こう言った



『女は、愛した男の最後の女になりたいものだ』と。



























けれど、カルトは。最初から最後まで、全部が全部、彼が良かった










































(――― 愛してもいない人と
永遠の愛を誓うくらいなら、
舌を噛みちぎるほうがマシだった)












































************************







契ると噛み“ちぎる”をかけてみた(やかましいわ)
ちなみに、イルミはカルトを心配していないように見えるだけで、ちゃんと心配してました
団長もその辺はしっかり分かってます



今回の話は特に分かりづらかったと思うので解説





イルミ:クロロに(てゆーか旅団に)カルトの結婚式ブチ壊すように依頼した張本人
ちなみにキルアにカルトの結婚教えたのもこいつ。「お前が家を継がないからカルトが政略結婚させられることになったんだよ」とみたいな兄弟の溝深まるようなこと言ったりしてる。キルアにゾルディック家を継がせるためなら手段を選ばないお兄ちゃんです



団長:イルミからカルトの結婚ブチ壊すよう言われて、たまにする旅団の慈善活動&フェイカルのために承諾した。多少付き合いのあるイルミのため、と言うよりはフェイカルのため(政略結婚と聞いて、フェイタンが単独で結婚式潰しに行く気だと眼に見えて分かっていたので)何より、団長だってカルトが可愛い。フェイタンも可愛い



団員→団長命令という大義名分を得、生き生きとしてカルトの結婚ブチ壊しに行った
団員はみんなカルトちゃんが可愛くて仕方ない
本来なら、モブは皆で順番にフルボッコにする予定だったのですが、フェイタンが一刀両断しちゃったので皆かなり不満げでした
その憂さ晴らしにだいぶ暴れ回ったおかげで、ゾルディック家は必要以上に大惨事になりました(けれど次の日には跡形もなく修復されているという。恐るべきゾルディック家の財力)



フェイタンの心境変化:カルトに振られる→自分が愛想尽かされたんだと思い、まぁ当然だよなと思う→しかしカルトちゃんが結婚することを知る→カルトちゃんが他の男と結婚式してるのを見てヤンデレた→一人独断で花婿殺してカルトちゃんをさらう→ちょっと暴走してから、カルトちゃんがまだ自分のこと好きなんだと気付いて我に返る→そのまま口説いてまんまとさらっていった



カルトちゃんの心境変化:政略結婚の話を持ちかけられる→フェイタンは好きだけど家を取るカルトちゃん→フェイタンと別れる→お見合いして結婚→しようとしたらフェイタンにさらわれた→旅団が助けに来たのは哀れみで、フェイタンが自分をさらったのは仕事だと思った→拒絶→フェイタンの発言が自分の認識と噛み合わず混乱→フェイタンが自分を好いていてくれるのだと気付く→フェイタンが好きなので気持ちが抑え切れなくなってほだされた







みたいな感じでした。分かりにくかったらごめんなさい





おまけその①で、カルトちゃんの舌が切れてたのは事故じゃなくて、式の時に無意識にカルトちゃんが噛んでたんです。もう少しフェイタンが遅かったらカルトちゃんが自殺して死んでましたって裏ネタ








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  1. 2013/06/04(火) 03:57:46|
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