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狂乱壊
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いたずらと気まぐれで思い知らされる格差

「いたずらと気まぐれ」シリーズの続きその⑩




















――― ピクリ


















それは、カルトの感性が研ぎ澄まされるようだった。



















微かな、しかし独特な匂いの元を、張り詰めた面持ちでスンスンと鼻を動かして辿る。すると、ホームレスの指先からカルトの馴れ親しんだ匂いがした



「――― 何してるね。犬の真似事か」

「………。」



流石に、胸の中でもぞもぞと動かれ、挙げ句匂いまでかがれて気にしない訳にはいかなかったのだろう
眠りを妨げられ、煩わしそうな声がカルトの耳に届くけれど、カルトは罪悪感を感じる余裕などなかった



「………貴方。本当に何者?」

「あ?」








「―――、血の匂いがする」














おそらく、カルトが帰ってくる前にシャワーを浴びたのだろう
何も意識しなければ、ホームレスからは石鹸の匂いしかしない





しかし、カルトのような闇に身を置いている者には分かる。その世界で生きている者ならば疑い様もない濃い、血の匂い。しかも、それは匂いが残っているとか、漂うなどという僅かなものではない









シャワーなどでは到底落としきれない、大量の血のにおい






















否。これはどちらかというと まるで、全身に血の匂いが染み付いているような―――




















「………私が怖いか?」





カルトの発言に答えるでもなく、静かに、ホームレスはそう問うてきた
部屋が暗くて相手の顔など見えなかったが、カルトは冷たい視線を感じた気がした
一つ言葉を間違えたら確実に首が飛ぶような、そんな気が




「………別に」






それは、強がりでも何でもない、ただの本心だった



今更、カルトは血の匂いなど怖くはない
幼い頃から一人前の暗殺者になるため育て上げられてきたのだ


血そのものも、血の匂いも、溢れ出る血も怖くない
人を殺すことも、死んだばかりの死体も、何も怖くない






















けれど、なんだか思い知らされた気がした


















血の匂いは覚えている。けれど、こんなこびりつくような、大量の血の匂いをカルトは知らない
血からこんなに深く濃い匂いがするなど、カルトは知らなかった


そして、カルトの身体には、ホームレスのように染み付くほどの血の匂いはついていない。それはまるで、カルトと男の実力差を、歴然の差を、自分たちの関係そのものを、カルトに見せ付けるかのようだった



























――― 決して縮めることなど出来ない。遠い、遠い距離



















こんなに近くにいるのに、カルトにはホームレスという存在が、ひどく遠くに感じた






































――― 否、もとからカルトとホームレスの距離は、近くなどなかった








そしてそれは、戦歴に限ったことではない



それはカルトがこの一週間で、身に染みて思い知らされたことでもあった


















カルトは、ホームレスのことを何も知らない
何故こんな血の匂いがするようなことをしたのかはおろか、その理由を想像することも出来ないほど、カルトは、ホームレスのことを何一つとして知らなかった
ホームレスは自分の素性など話さなかったし、カルトも聞くつもりはなかった





























―――否、ある意味ソレは、ホームレスとカルトの中での暗黙の了解のようなものだったのかもしれない
必要以上に、カルトはホームレスに干渉しなかったし、代わりにホームレスもカルトを詮索するような言動はとらなかった。必要最低限の干渉しかして来なかったが故に、あれだけ長い間一緒にいたにも関わらず、カルトはホームレスのことなど何も知らないに等しかった





















故に、遠い。





















ひどく、遠かった。































































この一週間、ホームレスが何をしていたのか聞きたい。

そう思っても実行に移せないのは、おそらくそれをしたら今度こそこのホームレスはカルトの前から姿を消すだろうという直感があったからだ
不必要な干渉をしてくるカルトを煩わしがり、カルトの存在を面倒だと判断するや否や、このホームレスはまるで潮時とばかりに今度こそいなくなってしまうだろう





















それはそうだ。出会ってから大分たったといっても、自分達の関係は、出会った時から何一つ変わってなどいないのだから
ホームレスにとって、自分は、ただ同じ空間にいるだけの存在でしかないのだ























初めて出会った、あの日から何も変わらず






























今も、そしてこれからも、カルトたちが互いに歩み寄ることなど、この先決して無いのだろう

















互いのことを何も知らず出会い
何の接点もないのに、何のつながりもないのに



ただなんとなく、同じ空間にいるだけ




















































――― 血の匂いはいつだって、残酷な真実を突き付けるだけなのだと、カルトはその日そう悟った






















****************************







そういや4年前ってちょうど旅団がクルタ族を襲った年ですね。
……あれ?G.I編で一年経過してるから違う?



ハンターハンターの年号をよく把握していない白菊です






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  1. 2013/09/07(土) 22:34:10|
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