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狂乱壊
荒らし・迷惑行為・中傷などはおやめください。(それらに準ずるコメント類もこちらの一存にて削除させていただきますのでご了承ください)

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いたずらと気まぐれにより訪れる来訪者

「いたずらと気まぐれ」シリーズの続きその⑯















「――― カルト」








廊下を歩いている最中、後ろからかけられた懐かしい声に、カルトは勢い良く振り返った




























「――― イルミ兄様っ!!」







珍しく顔を明るくさせて、カルトは久しぶりに見た兄に駆け寄った
イルミは表情こそ変わらないものの、駆け寄ってくるカルトの頭をよしよしと撫でながら口を開いた



「久しぶりだね、カルト。元気にしてた?」

「はい!!兄様もお元気そうで良かったです」



にっこりと笑うカルトに、イルミは一つ頷いた



「180階まで来たんだね」



「頑張ってるね」と淡々と言われてカルトは更に笑みを深くした
久しぶりに会った兄に久しぶりに褒められて、カルトはすっかりご機嫌だった



「ところで、兄様はどうしてここに?お仕事ですか?」

「うん。でもまだ時間もあるし、場所も近かったから少しだけ寄ったんだ」



つまり、カルトを気にかけてくれたと言うことだ

そんな兄に、カルトは更に感動した兄ともう少しだけ話したいと言ったら、イルミもそのつもりだったらしくカルトの部屋に行くことになった

















――― 喜びでいっぱいだった頭からは、部屋に兄を連れていく意味が、その危険性が、すっかり抜け落ちていた



























カルトがその危険性に気が付いたのは、部屋の前に来た時だった




「………。」





躊躇なく扉を開けようとしたカルトの手がピタリと止まった
カルトが部屋の前に来てから、カルトはやっとその可能性に、危険性に気付き、「もしかして……」と、こっそりと、扉を少しだけ開けて中を覗き見る。と、運悪く部屋の中でくつろいでいるホームレスを見つけてサッと血の気が引いた






―――― マズい





「――― 兄様。」

「何。」

「外で…店とかでお話しませんか?」

「別に部屋でいいよ」

「ち、ちょっと今、部屋の中がちらかってて……」

「ちらかってる?カルトの部屋が?」



その言葉こそおかしいとばかりに、イルミは首を傾げた
実家のカルトの部屋はいつも綺麗に片付いていたことを、長兄である彼はもちろん知っていたからだ
そんなカルトの発言と挙動不審ぶりに、いよいよ違和感を感じたらしいイルミは静かに口を開いた



「………カルト。部屋の中に何かあるの?」

「い、いえ別に」

「じゃあ、何が問題?」




「………。」

「………。」





「………兄様、部屋の中を片付けるので、少し待っていてくださいますか?」

「うん。いいよ」



疑うこともなく一つ頷いた兄からは見えないように、カルトは開けた扉の隙間から素早く部屋に入り扉を閉め、スタスタとホームレスに足早に近づくと、すぐ様だらだらしていたホームレスの腕を掴んだ
当然、不愉快そうな、不可解そうなホームレスと眼があったが構っていられなかった






「何ね」

(「隠れて」)

「は?」

(「――― いや、隠れるんじゃダメだ。出てって、部屋の中にいちゃダメ」)

「おい。何ねいきなり」

(「うるさい。今兄様が来たの。貴方がいるのバレたら色々と面倒なの」)

「………にいさま?」




微妙な発音だったが、そんなことに構っている暇は無かった
カルトは必死でその腕をひっぱりホームレスの重い腰を上げさせようと奮起した



(「とにかく!!ベランダから外に出て!!早く!!」)

「ここ、180階ね」

(「だから何だよ!!貴方ならここから落ちたって死なないでしょ!?」)

「よく分かたね」




「死なないのかよ!?」と言う突っ込みは頭の中だけでした
無理やり立たせたホームレスの背中を押しながら小声で叫ぶ



(「とにかく!!いいからさっさと出てって!!夜ご飯奢るから!!」)

「月餅がいいね」

(「月餅はご飯に入りません!!」)

「おい、あんまり押すな……」




そう言いながらカルトが自分の足を一歩踏みだす。と、グラリと、カルトの身体が揺れた
ホームレスにばかり気を取られていて足元がおろそかになっていた
床に落ちていた球状の何かを運悪く踏みつけて、膝裏をソファの端にぶつけ、そしてそのままバランスを崩し、後ろのソファに倒れこんだ。――― ホームレスを道連れにして









「………。」

「………。」









ソファのスプリントが跳ねるように軋んだ

柔らかいソファとは言え、頭から勢い良く倒れこめば、痛みが、衝撃が全くないわけではない
しかし、カルトの眼に飛び込んできた光景は、衝撃は、痛みの衝撃など全く比ではなかった






ホームレスがカルトを見下ろしている
まるで狩人に喰われる前の獲物の様だった
これでもし本当にカルトが獲物なら、抗うすべもなく死を覚悟しただろう
覆いかぶさるような姿勢を取られ、胸の鼓動が酷くうるさくカルトの頭に響く




















――― ホームレスに押し倒されている










その事実をカルトが茫然と受け止め、激しい動悸で胸が高鳴るのと、ガチャリ。と、タイミングを見計らったように扉が開くのは、ほぼ同時だった










「………。」


「………。」


「………。」



















―――― マズい








兄の無反応な黒い眼と眼が合った瞬間、カルトは真っ先にそう思った



胸の鼓動が、違う意味で跳ね上がり脈を打つ
額に汗が浮かび、サッと血の気が引いた


いくらカルトが子供とは言え流石に分かる










この体勢は、この空気は、この状況は


















――― 非常にマズイ



















「………。」

「………。」



「――― カルト、これは一体どう言うこと?」
















最悪の展開だった











































「………。」

「成る程」




冷や汗が背筋を辿る
濃淡の無い声は、別に責めているわけではないと分かっていても心臓に悪い
反射的にカーペットの上で正座をしたカルトを前に、彼は、イルミは、のっぺりとした表情のまま静かに一つ頷いた
そして、チラリと(強制的に)カルトの隣に座らされたホームレスに眼を移す



「………で、これにコーチを頼んでいる。と」

「は、はい。お兄様」



そう言って、カルトは必死に頷いた


結局、ホームレスの事がバレたカルトは、ホームレスを兄に紹介せざるを得なかった
勿論、本当のことを言う訳にもいかなかったので、咄嗟に、ホームレスをカルトが雇った修業のコーチだと言うことにして、そのコーチがカルトの部屋でくつろいでいたのだと説明した
他にもっと良い言い訳の仕方があったのかもしれないが、こんな展開に慣れていないカルトにはそれ以外の言い訳を思いつかなかった
そしてイルミも、幸か不幸かそれ以上の詮索をしようとはしなかった



「にしてもカルト、コーチにするにしても人は選びなよ。何なのその人相ヅラの悪い男」

「あ?なんだとこの―――」



そう言いかけたホームレスの口を慌てて塞いだ
確実に何か悪口を言うつもりだと直感的に気付いたからだ

怪訝な顔をするイルミを見ながら、カルトは必死にフォローをする



「で、でも兄様!!彼、腕は確かなんです!!ここまで昇れたのも、彼の協力あってこそのことで!!」




一応、まるっきり嘘ではない。全部が全部、全く大嘘というわけではない
………非常に不本意だが



「ふーん」



相変わらず、何とも思っていないかのような口振りで、イルミはとりあえず頷いた
納得したのかしていないのか、分からないけれど、とにかく怒ってはいないようだった



「まぁ、修業は順調に進んでいるみたいだしね。カルトが良いなら良いけど」

「あ、あの、お兄様。このこと、お母様には………」

「あぁ。言わないよ。別に」



一番心配していたことを恐る恐る口にすると、あっさりとそんな言葉が返ってきて、カルトはホッと息をついた










「――― 一緒に暮らしてる。とか言うなら話は別だけど」

「………。」





そう、淡々と続けられた言葉に思わず、吐き出しかけた息を止めた





………どこまでお見通しなんだろう。この兄は





聞きたいようで聞きたくなかった




























その後、次の仕事があるからと立ち上がり、部屋から兄が出ていくまでカルトは緊張を解くことができなかった
外まで兄を見送り、部屋に帰ってきたカルトは、後ろ手で扉を閉めながら事態が平穏に穏便に解決した安堵感から盛大にため息をついた



「………つ、疲れた……っ」

「そうか?」



どの辺に疲れる要素があったのだとばかりにそう言うホームレスをキッと睨み付ける
精神的負担など知らないとばかりの飄々としたその態度に、自分の受けたストレスを全て押しつけてやりたい気分だった



「………でも、貴方もよく口出しせず黙ってたよね」



このホームレスの性格なら、いい暇つぶし。とばかりに、あることないこと言ってカルトを困らせ兄を激昂させて、からかおうと目論みそうなものだが
しかし、相手の行動が不可解なのはホームレスも同じ様子だった



「それはこちのセリフね。良かたのか?お前」

「へ?」

「あの“兄様”とか言う奴に、私の事言いつければ、追い出してくれたかもしれないのに」

「………。」



そう言われて、カルトは、はた。として動きを止めた



















――― 思いつかなかった










いや、まさかそんなはずはない

正体不明のホームレスに住居不法侵入されそのまま居座られたことを知られるなど、カルトの沽券に関わるからだ。カルトの面子が丸潰れになるので口が裂けても言えなかっただけだ
























――― そう、別に、ただ、それだけだ













「ぼ、くは」

「………。」

「僕は、自分で、貴方を追いだすから、兄様の手助けは、要らない」





そう、それが正解だ




本心であるべきだ







別に他意などない









「――― ふぅん」


「………。」

「まぁ、いいけどね」



そう言って、ホームレスはスタスタと窓の方へ向かいベランダに出た
いきなりの、突拍子もない行動に、カルトは思わず首をかしげた



「………?どうしたの」

「ちょと出てくるね」




そう言ってホームレスは、まるで当然のようにベランダの柵に飛び乗ると、そのまま普通に歩き出すかの様に、一歩足を踏みだしそのまま落下していった




























「………え?」




素でホームレスが何をしたのか分からなかった




「――― えぇええっ!!?」






慌ててベランダに駆け寄り下を見るが、当然ながら180階から地上など見える訳が無い
いつぞや150階から下を覗き込んだ夜がカルトの中で思い出された



(ッホント嫌なデジャヴばっかりさせるんだから……!!)




――― しかし、安否を確認しに行く気にはならなかった
どうやるのかは知らないが、あのホームレスなら生きているだろうと何の確証もなく思い、カルトはそのまま心配するのも馬鹿らしいとばかりに、部屋の中に入っていった












































――― ホームレスが街を歩いて人込みの中を歩いていると、まるで偶然……ではなく、明らかに待ち伏せていたイルミと出会った



「――― やぁ」

「………。」



ホームレスは何も言わなかった。ただ足だけを止めた
イルミは塀に寄りかかりながら、変わらずの感情の籠もらない瞳でホームレスを見た




「カルトは君をコーチだと言っていたけど、本当は違うんだろ?」

「………。」

「――― で?君はうちの妹に何の用?」

「別に何もないよ」




「………。」

「………。」





まるでホームレスを見定めようとするかのように、イルミは少しだけ眼を細めた
ホームレスは何も言わずその眼を見返した

無言のまま視線が交錯する中、先に溜息をつきながら口を開いたのはイルミの方だった










「………まぁいいよ。そんな生活もあと少しだろうからね」


「………あ?」


「何、まさか知らないの?あの子は、199階まで行ったら、天空闘技場を出なきゃいけないんだよ」


「………。」


「そう言う条件付きの修業だったからね。父さんの耳に入ったら否応なしに家に連れ戻されるよ?」












そう言い捨てて、今度こそ消えたイルミに、ホームレスはやはり何も言わないままだった






















*******************







イルミお兄ちゃん登場の回

まぁ例えフェイタンが部屋にいなくても、歯ブラシ2本あったりしたら気付くだろうけど
ちなみにカルトちゃんが踏み付けたのはダンベルです。カルトちゃんの私物なのですが、勝手にフェイタンが引っ張りだしました
映画のH×Hのキルアやオモカゲさんの降り方カッコいいと思ってフェイタンにもやってもらいました

最近本当にネタが浮かばないのですが…どうしよう……(知るか)
もし人様のネタとかぶっているとかこのネタどっかで……とか思っても、本人はネタパクしてるつもりはないのでスルーしてください叩かないでくださいお願いします(←)





CLAMAXHUNT6を境にフェイカル、と言うかH×Hの活動をやめられる女神さまがいらっしゃったらしくて、とっても悲しいです。しょんぼり
行けば良かった……!!(ノд<。)゜。と今更後悔の念に苛まれてます……!!
でも10月のコミケには行きたいですねぇ……スパークとかいきたい……


台風とかその影響とかすごいですね。ニュースで家や何やら飛ばされてたり洪水とか突風とか津波とか見てもう唖然です
白菊は何の被害もなかったのですが、皆様は大丈夫でしょうか?(そして空気も読まず小説をアップするこの社会不適合者)






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  1. 2013/09/16(月) 21:35:19|
  2. H×H|
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