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狂乱壊
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死してなお、奇跡はあるのか




『死してなお、』シリーズの続きその①


(※パクノダの死の場面から)













――― 撃たれた。


フェイタンが
フィンクスが
ノブナガが
マチが
シャルナークが
フランクリンが






――― パクノダに、撃たれた。















しかし、撃たれた6人の誰一人としてその場に倒れることはなく、倒れたのは、銃を撃ったはずのパクノダただ一人だった―――










































銃声と共に、パクノダの身体が倒れこんだ。
しかし、パクノダが倒れこんでも、すぐには誰も動かなかった。
何故なら、その出来事はあまりに唐突でいきなりで予想外で、誰もがその状況を受け入れるのに精一杯だった。



最初に、パクノダに駆け寄ったのはシズクだった。
パクノダの髪を撫で、血の垂れた口元を見て、シズクはパクノダの死を悟った



「……どういうこと?」


珍しく、シズクがどこか動揺した声をあげた。



「俺が説明する」



パクノダに記憶の弾丸を撃たれた一人、フィンクスがそう言った。
パクノダが命を投げてまで残してくれた情報を、他のメンバーにも伝えるために。




















その時だった























――― それは血、だったのだろうか。





否、その光景を見た全員が何が起きたのか……何が起こっているのかよく分からなかった。
パクノダが死んだ瞬間以上に、その光景はよく分からず、分かることが出来なかった。

と言うのは、まず第一の原因に色彩があっただろう。

桜色、桃色、とにかく人肉のような淡い色の液体が、パクノダの顔にボタボタと降り注いでいた。





――― 少女だ。










次に団員が認識したのは、パクノダの口に自身の血を注ぐようにして立つ少女だった。
まるで囚人のような拘束着を身につけた幼い少女。
ひどく場違いなはずの少女は、気付いた時にはそこに立っていた。

その少女はどこから現れたのか、まるで亡霊のようにいつの間にか現れその場に立ち、腕から血を垂れ流していた。
流れる血が、そのピンク色の液体が、腕から流れる大量の血であることに、その色合いから誰もがすぐには気づかなかった。
そして、その血がパクノダの顔に、結果的に薄く開かれた唇に注がれ、パクノダの体内に含まれた数秒後だった



「………かはっ!」



そんな気管からの音を立てて、パクノダの身体は勢いよく上半身を起こした。
まるでムセたように咳き込む彼女は口を抑え、苦しそうにしばらく咳を続けていたが、しばらくすると落ち着いたように規則正しい呼吸をし始めた。










――― 誰もが、その光景に驚いていた。






しかし、旅団の半数……つまり、パクノダから記憶を打ち込まれなかった半数は、その時点ではまだ状況の把握も展開の把握も出来ていなかった。ただ、わけもわからず、その様子を固唾を飲んで見守るしかなかった。
そして、パクノダに記憶を打ち込まれた半数の驚きは、並みではなかった。















パクノダは死んだ。







鎖野郎の制約を破り、心臓を鎖に潰され死んだ。
今しがた死んだ。
はずだった。




なのに、今眼の前にいるパクノダは呼吸をしている。体を動かしている。生きている。




何故か。
















混乱の中、事態を把握しきれない中、どう見ても一番怪しくも一番の原因としか思えない状況証拠を見せつけた少女。その少女をいち早く押さえつけたのはフェイタンだった。
パクノダを死んでいた間も生き返った今も、ぼんやりとその場に立ち静かにパクノダを見下ろしていた無防備な少女に、フェイタンは勢いよく掴みかかった。しかし勢いがつきすぎて、少女があまりにも無抵抗であったため、結果的にフェイタンは少女を押し倒すようにしてコンクリートの床に叩きつけてしまった。しかも、不幸なことにフェイタンの速度に反応できなかったのか、少女は倒れた瞬間そのまま勢いよく後頭部をコンクリートに激突させた。
途端、「しまった」と、内心フェイタンは動揺した。
いくら捕獲の為とは言え、このまま頭蓋まで衝撃がいっていたらどうしようと思った。
この少女が一体誰で、パクノダに何をしたのかは分からないが、それでも、パクノダが生き返った原因はこの少女であり少女以外にはなく少女でしかありえないのだ。そんな唯一の手がかりを、みすみす死なせるわけにはいかなかったけれど、脳内出血などでこの少女が死んでしまったら手の施しようがない。
それでは、この少女がパクノダに何したのかさえ問いただせなくなる。それだけはせめて免れているようにと、せめて脳震盪だけで済んでいるようにと、フェイタンは願った。
が、そんなフェイタンの心配も杞憂に終わった。

フェイタンに押し倒された少女はパッチリと眼を開けたまましっかりとフェイタンを見ていた。
意識を保ったままジッとフェイタンを見ていた。

そんな少女に、安堵したのもつかの間、次にフェイタンが感じたのは違和感と、不気味なものを見た時と同じような動揺だった。


何故なら、少女はフェイタンこそ見ていたが、実際のところは違ったからだ。


少女はフェイタンと焦点こそ合わせていたものの、全くと言っていいほどフェイタンを認識していなかった。
瞳に一切の光りも情も、恐れも不安も一切感じていない眼をフェイタンに向けていた。
しかし、それだけでは終わらなかった。

少女が頭を下にしていた床がじわじわと赤く染まり始めたのだ。
いきなり何かと思ったが、何のことはない。赤い液体。
それはまさしくフェイタン達が見慣れている本物の血だった。
先ほど少女が流していたピンク色の血とは違う、本来の赤い血。
それは少女が後頭部を殴打して出血したものだろうが、そこでまたフェイタンの頭に疑問が生じた。
























――― 何故、脳から出血して少女は意識を保っているのか。










脳からの出血とは意識を奪われるものだ。
少量の出血なら意識を保てる場合もあるが、今現在少女が後頭部から流している血は既に意識を保てる出血量を越えていた。
なのに、少女は意識を保っていた。平然と、まるで何も、何事もないかのようにただ眼の前にいるフェイタンの眼をジッと見返している

























「………お前、一体何ね。」




































思わず、と言う風にフェイタンが呟いた言葉は、恐らくその場にいた誰もが思いつつ、誰もが口に出来なかった言葉だった。



























































とりあえず、少女を拘束しようと言うことになった。
鎖野郎に何をされたのか、団長がどうなったのか、パクノダに記憶を打ち込まれなかったメンバーの疑問は山積みだったけれど、それより何より、パクノダの身体が心配された。
が、それも結局杞憂だった。


「ねぇパク。本当に大丈夫なの?どこも痛くないの?」


パクノダに聴診器を当てたままシャルナークが尋ねる



「えぇ。どこも痛くないわ」

「本当に?違和感もない?」

「えぇ。無いわ」



どこか慎重にさえ、疑惑しか感じていないような聴診だったのに、シャルナークは観念したように溜め息をついてから聴診器をパクノダから外した



「大丈夫。心臓はちゃんと機能してる。特に異常はないよ」

「……本当に?」

「あぁ。」



訝しげな声を上げるマチにそう断言するも、診断したシャルナーク自身も未だに信じられないのか、彼もどこか浮かない顔のままだった。そして、パクノダが撃ち込んだ記憶を、フィンクス達がほかのメンバーにも説明しきり、事の次第を全員が把握してから、旅団は鎖でグルグルに縛りあげた少女にやっと眼を向けた。
少女に対する疑問も既に色々と山積みだった。




まず、パクノダに何をしたのか。
どこから来たのか。
鎖野郎との接点はあるのか。
そして、何者なのか。




そんな旅団員達全員の視線を受けながらも、がんじがらめに拘束されている少女は依然として変わらずただ無言でボーッとしていた。少女は相変わらず何の反応も示さなかった。
どこからどう見ても、その少女は普通の、どこにでもいるようなか弱い子供だったのだけれど、フェイタンの中にはただ、少女の肉体に対する疑問点が多々あり、決して油断できず、ましてや楽観視もできなかった。
先ほどこの少女を縛りあげる前に、フェイタンはとりあえず止血しようと、少女の転倒の際にぶつけたはずの後頭部と、腕から流していた血の傷口を確認した。が、何故か、出血しているはずの部位がどこにも見当たらなかった。後頭部も腕も、血で汚れてこそいたものの、全くと言っていいほど出血しておらず、傷ひとつない、まるで白魚の様なきめ細かい肌があるだけだった



「しっかし何なんだろうなぁ。こいつ」



怪我をしたばかりの少女が無傷でいる。その事実に、正体不明の少女に誰もが困惑する中、まるでそれを体現するようにどこか困ったように、声をあげたのはフィンクスだった。けれど、少女は勿論何一つ発言せず、誰もが少女のフォローに入ることもなかった。そして、誰からともなく困ったように、恐らく少女が入れられていただろう冷凍ボックスを見つめた。
ドライアイスでも入っていたのか白い冷気がボックスの中から溢れて出てきていた



「多分、これだね。この子が入ってたのは。これ開けたの誰?」

「あ~……多分、俺」



珍しく、恐る恐る、と言った感じでフィンクスが名乗り出た


「どうやってこの箱を見つけたの?」

「緋の眼探してる時開けて……開けた瞬間から冷気出てきたんで『あーこれ緋の眼じゃねぇな~』と思ってたらシズクの緋の眼見つけたって声聞こえてそのまま……」

「閉めずに開けっぱなしにしたと」

「……おぅ。」



肩身狭そうにフィンクスがそう白状する。しかし、シャルナークの考察はすでに次の段階へと進んでいた。



「この競売品の中に紛れてたってことは、彼女も競売品だったんだろうね。でも、生きた人間を地下競売にかけるだなんて聞いたことないけど………」

「あ、シャル。この箱、何かくっついてるよ」


そう言って、何気なく少女が入っていた箱(多分)を見ていたシズクがそれを拾い上げてシャルナークに渡す。見た感じ、どうやらUSBと一枚の紙切れの様だった。ピラリと広げると、どうやら文章が書かれているようだった。



「えーと、なになに?」


それをシャルナークは書いてあるまま全員の前で読んでみせた。それは聞く限り、オークションで使う宣伝文句の様だった









『これぞまさに人体の神秘。人類最高の宝。誰もが一度は夢見る、最古からの永遠の夢。』

















シャルナークが歌うように諳じ、締めくくるようにこう言った
































『――― 不老不死の娘。』

















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  1. 2014/05/16(金) 15:56:32|
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