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狂乱壊
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死してなお、興味はわくのか

『死してなお、』シリーズの続きその③







正直フェイタンは、『不老不死の娘』に、全く興味がないわけではない。



けれど、その不老不死を確かめる行為……つまり拷問も出来ず、なんの反応も返さず何も言わない少女をただ監視しているだけなど酷くつまらなかった。平たく言えば、少女の監禁監視にものの5分で飽きていた。
だからフェイタンは少女の監禁を続けこそしたものの、何も話しかけなかったし、何もしなかった。少女が逃げる素振り、抵抗する素振りを見せればまた違ったのかもしれないけれど、あいにくそれもなかったので、フェイタンはノーリアクションだった。




フェイタンの、少女の監視監禁生活と言う退屈な時間の中、少女は相変わらず何も話さなかった。
隙を狙っているわけでもない。
逃げようとたくらんでいるわけでもない。
手錠をはめられ、出口を見張られている以上、逃げる気力がわかなかったのかもしれない。

ただジッと動かず、何も言わず、拷問部屋に蹲っていた。






耳を疑うような痛いくらいの静寂。
部屋に響く音と言えば、フェイタンの本をめくる音くらいだった。
実際、それはほんの一日も過ぎていないくらいの数時間のことだったけれど、もともと飽き性なケもあったフェイタンにはその数時間が気が遠くなるほど長い長い年月のように思えた。



「フェイターン」



そんな静寂を壊すように、ガチャリと、ノックもせずに拷問部屋の扉を開けたのはシズクだった



「シズク、ノクくらいするね」

「ご飯だよー」



そうたしなめたところで、二つ返事で注意を聞くような奴じゃない。
そう言って渡されたのは某ジャンクフード店のホットドッグと飲み物2つずつ。

おそらく、少女にも食べさせろと言うことだろう。面倒くさい。

と、フェイタンが何かを言う前にさっさと目的のものを渡したシズクは、さっさと扉を閉めていなくなってしまった。
再び静寂が戻る室内。食事の時くらい交代してやろうという優しさはないのかと、少し文句を言ってやりたくもなったけれど、シズクが了承するはずもないので、フェイタンはシズクを追うのをやめ、仕方なくそのまま少女に近づいて、少女の前にホットドッグを差し出した



「……ほら、口開けるね」

「………。」



けれど、少女は当然のように相変わらず、何も言わないし何も反応しない。
ホットドッグの香ばしい匂いにもピクリともせず、ホットドッグを見せても見せても何の変化もなかった。
ただジッとフェイタンを見て、次にホットドックを見て、そして視線がホットドックに止まったまま動かなくなった。
黙秘による拒絶かとも思えた。だが、フェイタンには何故かその無表情の顔に疑問の色を見た気がした。
そして何故か、もしかしたらこれを食べ物と認識していないのかと思ってしまって、眼の前に差し出したそれを自分の口に運んで食べて咀嚼し飲み込んで見せた



「……ほら、こうやて食べるね。分かるか?」

「………。」



少女は反応しない。
そんな少女にひどく幼稚な子供の相手をしているような気分になると同時、早々に柄にもないことをしていると我に返る。
面倒くさくなったのもあり、力の入っていないだらんとした少女のその手を掴んで無理やりホットドッグを握らせた。
すると、今度はきちんとホットドッグを持ったので、フェイタンはさっさと自分の指定位置に戻って自分の分のホットドッグを口にした。そして片手で本を持ち、文字の羅列を眼で追った。

そうしてそう時間もたたないうちに、自分の分のホットドックを平らげたフェイタンはちらりと少女を見た。



少女は今度はホットドッグを食べていた。

少女はフェイタンが食べるのを見て食べ物と認識したのか、まるで初めてホットドックを食べる人のように…ひどくたどたどした動作でホットドッグを食べていた。
しかも口が小さいので、だいぶ苦戦しているように見えた。
何となしにその様子を見ていると、ボトッと、案の定、ホットドッグの中身がパンの間からこぼれ落ちた。
口元もベタベタで、指先もベタベタ。
落ちたソーセージをジッと見る眼は無感情にも見えたがどこか不思議そうにも見えた。

その幼稚さに笑いが込み上げてきて思わず、プ。と吹き出してみると少女が初めて自ら反応してフェイタンを見た。











――― いや違う。それは、ただ“見て”いると言うよりは………









ジッとこちらを見る瞳には、今までの眼はなかった…どこか光のような、自我のようなものを感じた。
見たと言うより見つめられてると言うより、バカにするなと睨むようにさえ見えた。



それは、気のせいかと思えるほど、本当に些細な表情の変化だったのだけれど、フェイタンにはその微妙な変化に気づいた。



ためしに、その眼を見たまま更に声をあげて大袈裟に笑って見せると、少女の眉が明らかに歪んだ。


ほんの数センチ。否、ほんの数ミリと言う方が相応しいわずかな歪み。
それは、何ひとつ動かさなかった少女が初めて動かした表情と感情。
それが、侮蔑に対する怒りだった。





そんな、不服そうな幼い少女のその顔を見て、初めてフェイタンは少女に感情を動かした。興味にも似ていたかもしれない。















それは、いままで拷問し監禁し殺してきた奴らの泣き顔より乞う眼よりも、フェイタンにとっては魅力的に、好印象に映った。











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  1. 2014/06/06(金) 10:31:16|
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