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狂乱壊
荒らし・迷惑行為・中傷などはおやめください。(それらに準ずるコメント類もこちらの一存にて削除させていただきますのでご了承ください)

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死してなお、届くことはあるのか

『死してなお、』シリーズの続きその⑩
シャルパクです。
繰り返しますがシャルパクです
誰得?俺得
これを読まなくても分かるように続き書くつもりですので、飛ばしたい方はスルーしてください












パクノダの中で、カルトの言葉が未だに耳に残って頭の中で反響していた。
カルトの声が怖かったからではない。その言葉にひるんだつもりもない。
ただ、何故か、自分を見つめるカルトの瞳が、その瞳に全て心の底まで見透かされているようで、怖かったのだ。
カルトの元へと通い続けたのは、極力カルトから離れなかったのは、彼女への恩返しと、あわよくば不老不死の情報を聞き出そうと思ったからだ。けれど、他にも理由がある。




そう、他にも理由があった。







それを、見透かされているようで怖かったのだ













『後悔しろ。』




カルトはそう言った。













――― 何を、だろうか。
































パクノダはその日、拷問部屋にはいなかった。
あんなことを言われた手前、すぐにもう一度あの部屋に行く気にはならなかったし、行ってもフェイタンに追い出されるのが眼に見えていたからだ。


珍しく、と言うか、久しぶりの自室。懐かしい一人きり。

ガラスの壊れた窓から外を見やると、人気のない広野の先にネオンが輝くヨークシンシティが映る。
月が雲に隠れた夜でさえ、その街は美しく彩られ活気づいていた。


そんな時、部屋の扉を控えめに叩く音がした。
「こんな遅くに誰だろう」と思いこそしたものの、パクノダはそれが誰であるかなど推測もしないまま、考え事に熱中していた頭のままで「どうぞ」と一言だけ扉の向こうの相手に声をかけた。




扉が開く。




その先から現れた相手に、その相手を認識した瞬間、パクノダは安易に入室を許した自分の判断を恨み、油断していた自身を内心で叱咤した。そこにいたのは、考え事の中心にいる人物、シャルナークだった



「………シャル。」

「パク。話が、あるんだ」





心臓がはねた。


















そして同時に、舌打ちしたくなる気持ちを必死になって抑え込む。
シャルナークとまともに話すのは、実は蘇生されてからこれが初めてのことだった。
何故なら、しようと思えばいくらだって設けられたその機会を、二人っきりになる状況を、パクノダが意識的に避けていたからだ



(迂闊だった)



パクノダは、表情にこそ出さなかったが内心焦っていた。

どうしよう。
今までは少女の元に通うことで一人きりになるのを避けていたのに。
しばらくは警戒していたが、シャルナークが話しかけてこず、調べ物に熱中しているようだったから油断していた。
こうならないよう、二人きりにならないように注意していたのに。
こんな場を設けられまいと、そう思っていたのに。



引き伸ばしに引き伸ばし、逃げれるだけ逃げていた。
この状況になるのを恐れて。


それでも、こうなってしまっては仕方がないと、出来るだけいつものように、自然に振る舞おうと努めた。
震えるかと思った声は思っていたより落ち着いていて、ほんの少しだけ安心した



「……何、どうしたのシャル?何か分かったの?」

「いや、ごめん。そうじゃなくて………」



歯切れが悪い。いつもの彼ならあり得ないことだ。
気まずそうに、けれど真剣味の強い表情でそう言われて、とぼけても無駄なのだと、逃がしてくれる気はさらさらないのだと理解した。
あの時死んだままでいたら、決してあり得るはずのなかったその話が。生き返った後に直面すると気付いた起こりうるはずのなかった未来が、今から起こるのだと、理解した



「あの時、伝えてくれたでしょ」



そう、確かに。


パクノダは伝えた。









想いを込めた。込めてしまった。ほんの少しだけ。







あの時、鎖野郎の制約に背き、自分の命と引き換えに打った銃弾。
その弾丸に、シャルに打ち込む弾丸にだけ、込めたのだ。込めてしまったのだ




















――― 『愛している』 と





























「………。」



思い出しただけで、怒涛の勢いで羞恥と後悔が込み上げてくる。
ゆっくりと近づいてくる相手は何故か酷く恐ろしくて、だからと言って逃げるわけにもいかず、パクノダはただベットに座り込んだまま相手の接近を許すしかなかった



「………。」

「パク。あれは、パクの本心、なんだよね?」

「…………。」



違う、などとは言えなかった。
今更、と言うか、あの状況で嘘の想いを打ち込んだなど言っても無駄だろう。ただの戯れだと言ったところで、どうあがいても説得力に欠ける。ごまかしようがなかった。
長い付き合いだ。死ぬ間際にそんなことをする女だと、おそらくシャルナーク自身思っていないだろう。



そう結論付けたパクノダは諦めたように、観念したように、溜め息をついてから向き直る。
と、相手の顔はどこか固く、緊張しているように見えた。
そんなシャルナークに、パクノダは恥を忍んで告げた



「――― 好きよ。シャル」



仕方なく、告げた想いは酷く冷めて響いた。

そして、その沈黙の中でパクノダは理解した。
『苦しめばいい』と、呟いたカルトの言葉を。

パクノダはシャルナークに想いを伝えた。
それで終わりのはずだった。
是も非もなく、想いを告げてそこで終わりのはずだった。
それで満足だった。それで悔いはなかった。





けれど、それをカルトは許さなかった。







『後悔しろ』と言うのは、告白して終わりなのではなく、返事を聞いてフラれてこいと、そうして悲しみ生き恥をさらしてこいと。そうして生き返ったことを後悔しろと、そういう意味だったのかも知れないと思った。








あぁでも確かに、後悔したことがこんな女々しい色恋沙汰だなんて、自分の生きざまとしてはひどく恥ずかしくて死にそうだった。
ふと、シャルナークの中にある記憶を奪うことも考えた。けれど、念を使うことは出来ない。今度自分が念を使ったらこの身体がどうなるのかなんて、全く分からないのだから。こんな青臭い理由で命を危険に晒すことは、さすがにプライドが許さなかった



「……ごめんなさい」

「パク」

「ごめんなさいシャル。そんなつもりじゃなかったの。貴方を困らせるつもりは」



そう、伝えたところで何にもならない。

そんなことはこの恋心を自覚したその時から分かり切っていたことだった。
当然だ。シャルナークと自分は、家族のように育ってきたのだ。
シャルナークにとって、自分は姉のような、母親のような存在だ。
そんな存在が、自分に恋心を抱いていただなんて、そんなことを知ったらきっと戸惑う。最悪気味悪がられてもおかしくなかった。
こんな恋心は誰も幸せにしないし誰の得にもならない。相手を傷つけるだけ不愉快にさせるだけ。そうして結局自分も傷つくだけ。
煙たがれて気味悪がられて、今の良好な関係を壊してしまうくらいなら一生口をつぐんでいようと思った。
ずっと、普通に振る舞い、いつものように、彼にとっての姉であり、母であり、良き仲間でありたいと、そう最後まで演じきろうと誓っていた。
自分の思いに蓋をして、理性をもって接し続ける事は、自分なら可能だったはずだった。









なのに、
結局自分で壊してしまった。











だって、あれで終わりだと思っていたから。










そう、あれで。











シャルへの想いを、伝えるつもりなどなかった。
けれど、あの瞬間、銃を射つあの瞬間、『どうせ死ぬなら』と、『せめて』と、血迷ってしまった。

それがいけなかったのだ。

だってまさか、死なないだなんて、生き返るだなんて思わなかった。
そんな展開は露ほどにも予想していなかった、予定外だったのだ。



生き返ったことは、純粋に嬉しい。
死ななかったことは、とても嬉しい。



けれど、あの時最後の最後に気を緩めてしまった結果がこれだった。
「どうしてあの時、」と、後悔しても、既に後の祭りだった



「ごめんなさいシャル。私は、そんなつもりじゃなかったの。貴方を困らせるつもりはなかったの」

「パク」

「だからお願い。気にしないで。忘れて。お願い、気にしないで。ほんと、私、まさかこうなるなんて、思ってなかっ」

「――― パクッ!!」



口調が、無意識に早くなって、いつの間にかシャルナークから顔を背けていた。
けれど、強めのシャルナークの声で、強い力で両肩を捕まれて、我に返る。

焦る、いつになく焦って慌てていた。

そんな自分に気がついて、更に自己嫌悪する。



自分はこんなに余裕のない人間だっただろうか。けれど、だからと言って逃げることも出来なくて、なんとか取り繕うように一度息を吐いて無理やり自分を落ち着かせた



「……そうね。ごめんなさい。ちょっと落ち着くわ」



自分らしくもなく、取り乱してしまった。
そうだ、もうここまで来たら、どうしようもない。
せめて綺麗に、スマートに、後腐れなく終わらせることが願いだった



「パク、俺は」

「でも、別にどうして欲しいわけでもないの。あの時は本当に、最後だと思ったものだから」



悪かったと、素直に謝った。
シャルナークの顔は見たくなかった。
自分の情けない顔も、見られたくなかった



「出来れば、これからも仲間として」

「パクってば!!」



肩をもう一度、強く揺さぶられた。その手は少し力が入りすぎていて痛いくらいだったけれど、シャルナークの眼を見るしかなくなったパクノダに、そんなことを口に出来る余裕もなかった



「ねぇ待って。俺にも話させてよ」

「……シャル?」

「聞いてよ。俺の話」



そう言って、何故か抱き締められた。
意味が分からなくて眼を見開いていると、更にあり得ない言葉が耳に届いた



「好きだよパク。」

「………。」

「だから、俺も、俺もパクが好き」

「………。」

「パクが死ななくて、良かった」




想いを伝えたかったのは、何も君だけじゃない。
そんなセリフを自分に向けて言うシャルナークを、パクノダは信じられず受け入れられなかった




「……ちょっと待ってシャル。からかわないで。私に気を使わなくていいのよ。そういうのはいらないわ」



「慰めに嘘をつかれるだなんて惨めになるだけだ」と、そう言ってもシャルナークは放してくれなかった。パクノダを抱きしめたまま、静かに首を振った



「そんなんじゃない」

「だって……」



いつだって、かわいい女の子を連れていると聞いていた。
自分とは正反対の、小さくて可愛い女の子。
それを聞いた時、あぁやっぱりと納得した。
自分は選ばれないのだと悟っていた。

例えそれがなくても自分のことは、仲間か、よくて姉のように思っているか、そのどちらかだとしか思っていなかった。なのに、言い返そうとした矢先に唇を塞がれて、何も言い返せなかった



「あのね、俺だって好きだと思ってないとこう言うことしないんだからね」

「………。」



離れた唇が、まるで夢のような甘い言葉を自分に囁いてくる。
けれど、信じろ、と言われても、困るしかなかった。
信じろと言われても、からかわれているとしか思えなかった。それか、憐れみか。
好きでもなくても、感情などなくても、持とうと思えば関係は持てる。だから、憐れみで好きでもない女を抱こうと思えば抱ける。それくらいには、その程度の知識がある程度には、シャルナークもパクノダも大人だった。

けれど、そんな考えを、そんな現実を瓦解させるかのような、パクノダを期待させるような夢を、シャルナークの言葉は魅せ続ける



「……パクが、死んだ時本当に後悔したんだ。それまでずっと、俺なんか相手にされないって、フラれて傷つくのが怖くて、パクとの関係が壊れるのが嫌で、ずっと言えなかったし、言うつもりもなかった」

「………。」



聞けば聞くほど、毒の様だった。
期待してもいいのかと、嘘ではないのかと、そう思ってしまう自分の心を振り払えずにいた。
ダメだダメだと思っても、まるでもがけばもがくほど引きずり込まれる渦のように、シャルナークの言葉はパクノダの心に取り入ろうとする



「でも、忘れてたんだ。俺たちはいつ死ぬかも分からないんだって、」

「………。」

「好きな相手に『好き』って伝えてもらって両思いだって分かった瞬間に、眼の前でパクが死んで、俺がどれだけ後悔したか分かる?」



手を伸ばしても届かなかったはずの想いが届くのだと知った時、幸せから絶望へと突き落とされた。あの瞬間は今でも悪夢のようにトラウマだと、彼は言う。



「ねぇパク。パクは、いつ死ぬか分からないんだよ?」



そう言うシャルナークの言葉は、誰もが気付いていて誰もが言葉にできなかったパクノダの現状だった。

カルトの念能力の条件が不明な現在の状況では、パクノダの生死は、綱渡りのようにひどく不安定なものだ。
最悪、今すぐ死んだっておかしくないのだ。
抱きしめているこの身体が一瞬で冷たくなり、動かなくなる。
そう思うだけで、酷く恐ろしく、怖かった



「この状況は、パクが生きてるってことは、俺にとっても奇跡なんだ」

「………。」

「『自分はもう死ぬから』って、だから、俺に好きだって伝えてくれたんでしょ?」

「………。」

「ねぇだから、信じてよ。お願いだから」



死ぬかもしれないのだ。
すぐに、今すぐに。自分を『好き』だと言ってくれた、この人の眼の前で。――― 好きな人の前で





















―――― なら、いいだろうかと思った。










死んでしまう前に、ひと時の夢を見ても。








例え騙されたまま死んだとしてもいいかと思った。


















「………シャル」

「何?」

「キス、してもいいかしら?」



「もう一度」。そう聞くと、逆に唇を塞がれた。合わせた唇が熱い。しばらくそのままでいて、唇が離れたと思うとシャルナークが柔らかい笑みを、いたずらっぽい笑みを浮かべて言う



「……こう?」

「……まだダメ」

「駄目?」

「全然ダメ。足りないわ」



(――― もっと、もっと。)



ここまで来たら。引き返せなかった。
引き寄せて、後ろのベットに倒れこんでみると、引き寄せられたシャルナークも巻き込まれる。
ベットに押し倒す形になったシャルナークは戸惑うような顔をしている。
微笑みかけてみると、狼狽えながら顔を真っ赤にした。「いいのか」と問いかけてくるその眼に、逆に問いかける



「いいの?私、」











(――― いつ死ぬかも、分からないのに。)







否、それどころか。


熱もある。鼓動もある。
それでも、もしかしたらこの体は死んでいるのかもしれない。
生き返ったのではなく、念能力に強制的に動かされている死体なのかも。

勿論、そんな仮定に確証はない。

けれど、そうでないという保証もない。




(――― それでも、貴方はこの身体を………―――)











































「――― 生きてるよ。」



そんな暗いパクノダの思考を、読んで遮るかのようにシャルナークは断言する






















「生きてる。パクはちゃんと、生きてるよ」





















「確かめてあげる」とそう言って、



死体かもしれない体に、彼はまるで至高の宝物のように、ひどく優しく口付けてくれた






















































それは、後悔ではなかった
生きている事に、ひどくひどく感謝した











流れた涙は熱く、伝え合った熱は確かに現実だった


























***********************



まどマギのさやかちゃんが「だって私、ゾンビだもん。もう死んでるんだもん。もう好きだなんて言えない。抱きしめてなんて言えない」みたいに言ってたのグッときた

さて、何がどうしたかシャルパクです。念願のシャルパクです。フェイカル以上に同士がいませんアハハ。
でもなぜか白菊このカプも大好きです。何故かは不明。とりあえずシャルパクは合法おねショタだと思っています()
シャルナークに死に際にこっそり告白していて、フラれるのが嫌でカルトちゃんのもとに通いシャルと二人っきりにならないよう逃げまくっていたパクノダ姉さんでした。
この話ではシャル→←パクでしたが、白菊の中のシャルパク理想図というか通常モードはシャル→→→→→パクです。二人は小さい頃から姉弟のように育ってきたのですが、シャルナークはパクを女性として意識していて、対するパクノダはシャルのことを弟以外の何にも思っていないというのが白菊のシャルパクの基本スタイルです。なので、シャルがどんなにスマートに口説こうとしてもパクノダはきれーにスルーするというのが通常です
ちなみにシャルの遊び相手の女の子は金髪だったり鼻が高かったり女子力高かったりなんだかんだでパクノダに似ている面が強いといいなと思ってます


ついでに、正直パクノダの能力使えば、不老不死カルトちゃんがパクノダに何をしたのかすぐに分かるんだけど、それが出来ないのはすっごいストレスたまるんだろうなとは思っている。ごめんねパク姉さん






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  1. 2014/06/15(日) 03:04:59|
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