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狂乱壊
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死してなお、感謝するのか

『死してなお、』シリーズの続きその⑪














少女が初めて声をあげたその次の日、パクノダは拷問部屋にやってきた。



少女は昨日のフェイタンが怒りのままに拘束した姿のままだった。
頑丈な鎖で何重にも縛りあげられ、口さえも鎖で封じられている。
暴言を吐いただけの少女に何もここまでと思うかもしれないが、彼の怒りを買ってこの程度で済んでいるだけ、まだましなのだろうと思うことにした。

少女は、カルトは、相変わらず無表情だった。

痛そうな顔も辛そうな顔もない。初めて会った時のような何も感じていないようなそんな顔。
けれど、カルトはパクノダが入ってきたことに気付くと、あからさまにフイと眼を反らした。
そんなカルトの態度に、フェイタンは咎めるような視線をカルトに向けた。
しかし、そんなフェイタンの視線も、カルトは見て見ぬふりをして見せた。

憤りの感情と、拒絶の感情が交錯する沈黙。

けれど、パクノダはその空気を壊すようにしてフェイタンに話しかけた



「フェイタン。カルトと話したいの。ちょっとだけ、席を外してくれる?」

「………。」



そんなパクノダの発言に、フェイタンの眼がパクノダに向けられる。
そして「いいのか」と、無言で問いかける。

当然だ。何せ、昨日の今日だ。まだフェイタンは、カルトあの暴言を許したつもりはない。だから、気を緩めるつもりもない。
それでも、それは全てパクノダの為だ。パクノダを思っての行動だ。それはパクノダ自身もよく分かっている。だからこそ、パクノダが頼む分にはフェイタンにも考慮の余地があった



「大丈夫。本当にちょっとだけでいいの」

「………。」

「だからお願い。カルトと話をさせて」



パクノダを、その眼を見て、確認する。
見返す瞳はどこにも迷いはない。
揺らぎすら、していなかった



「………。」

「お願い」

「………鎖は外すなよ」

「えぇ。」

「………ドアの外に、いるからね」

「えぇ。ありがとう」

「………1分だけよ」

「えぇ。十分よ」



「何かあったら呼べ」と、そう言ってフェイタンは重い腰をあげていなくなった。
拷問部屋に残されたのはカルトとパクノダの二人のみ。

鎖にがんじがらめにされたままのカルトに、パクノダは視線を合わせるように膝をついた



「ねぇ、カルト」

「………。」

「貴方が、何故私を生き返らせてくれたのか分からない」

「………。」

「それでも、一言言わせて」



目線を合わせる。見上げてくる大きな瞳に、パクノダはなんの迷いもなく微笑んだ






















「生き返らせてくれて、ありがとう」















その綺麗な微笑みに、嘘偽りは微塵としてなかった。
その笑みに、カルトの瞳が揺らいだ。








動揺するようにジャラリと鎖の音が微かに響いたけれど、それが何を意味するのかまでは分からなかった。パクノダは続ける



「確かに、生き返って後悔したこともある。これからどうなるのか不安もあった。もしかしたらずっとそうかもしれない。けど、」



「貴方の言う通りだったこともある」。けれど、それだけではなかったと、パクノダは言った。言いきった



「ありがとう。あなたが助けてくれなかったら、この幸せにたどり着けなかった。
貴方がくれた未来は不安定かもしれない。これからどうなるかまだ分からないけれど、………例え今死んでしまっても、後悔しないし、あなたをうらんだりもしないわ」



「むしろ、感謝してるの」と続ける。その言葉に迷いはなかった。


























そう、本来なら、シャルナークと分かりあえる日など来るはずがなかった。

当たり前だ。パクノダはその未来を最初から諦めていて、そんな日が来るなど夢にさえ思っていなかったからだ。
逃げていた。とも言える。
けれど、フラれると分かっていて、傷つくことが分かっていて、それでも伝えようとする勇気が自分にはなかった。
そんな自分が、シャルナークへ想いを伝え、その想いが報われる日などあり得ない未来のはずだった。
けれど、そのあり得ないはずの未来をくれたのはカルトだ。その未来に出会えたのはカルトのおかげだ



「きちんと言ってなかったから、ちゃんと言っておこうと思って」



例え、カルトが何故自分を生き返らせてくれたのか分からなくても、その真意が分からなくても。自分に生を、未来をくれた事実は決して変わらず、間違いないのだ。



だから、











だから―――









































「――― 本当に、ありがとう」

































パクノダがそう言っても、カルトはやはり何の反応も返さなかった。
ただ眼をそらし、再びその眼をパクノダに向けることは無かった。



















そんなカルトを見て、パクノダは立ち上がり部屋を去るしかなかった。






















































カルトはきっと、自分のことを嫌っているのだろう


けれど、これからも、今までのようにカルトに接しよう。できるだけ優しくあろうと、パクノダは心に決めていた



















































***********************



彼女への感謝を、示すために



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  1. 2014/06/16(月) 23:40:36|
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