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狂乱壊
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今日、僕の記憶は消えている、君はまだ知らない。

『僕、君』シリーズの続きその①

自宅に帰ってきたカルトちゃんとミルキの話
ゾルディック家の子たちはなんやかんやで仲良しだといいです













フェイタンが死んだ。僕の眼の前で。


そんな悪夢のような日曜日が過ぎ、それから間もなくの事だった。



























「昨日の記憶がないんです」

「若年性アルツハイマー……」

「茶化さないで下さいミル兄さま。本当に昨日の記憶がないんです」



今日は月曜日。否、正確には火曜日。……らしい。
え?昨日って日曜日だったよね?
何もかもよく分からない僕は、困り果てた挙げ句に次兄であるミルキ兄さんの部屋のドアを叩いた。
ミルキ兄さんは面倒くさそうに扉を開けて面倒くさそうに僕を見たけど、僕の困った顔を見てなんやかんやで部屋に入れてくれた。
沢山あるパソコンを同時に見つつ、軽快な操作でキーボードをパチパチと打っている。
パソコンから眼をそらすことなく、操作をやめることなく、ミルキ兄さんが僕に声をかけて話を促してくれた



「で?いつから記憶がないんだって?」



フィギュアがところ狭しと並べられた部屋に正座し、そんな兄の背中に僕はありのままを話した



「月曜日の記憶が丸ごと無いんです。日曜日に帰ってきたはずなのに、日曜日に自分の部屋で寝たはずだったのに、眼が覚めたら」

「覚めたら?」

「何故か火曜日で、しかも庭の樹海でミケと寝てました」

「……ふーん」



とりあえず相づちを打つミルキ兄さんの声は疑心に満ちている。でも事実なんだからしょうがない。
僕は繰り返し自分の身に起きた摩訶不思議な出来事を繰り返すように説明した



「訳が分からないんです。確かに僕はベットで寝たのに起きたらミケがいて、樹海だったんです。で、変だなーと思いながらも家に帰って来たんです。その後に携帯を確認したら火曜日だったんです」



日曜日の夜に間違いなく、僕は自室のベッドで眠りについて、庭でミケのふわふわ毛並みの中で眼が覚めた。そして家に帰ったら、何故か火曜日だった。
繰り返すようだけれど、意味が分からないけれど、僕も自分が何を言っているのかよく分からないんだからどうしようもない。
説明を受けたミルキ兄さんも僕の説明が良く分からないとばかりに頭をガシガシとかいた


「つまり、昨日一日分の記憶がないと」

「はい。」

「あー……。寝すぎて寝過ごしたんじゃねぇの?」

「丸一日も?」

「それだけ疲れてたんじゃねぇの?日曜っていやぁお前、旅団の仕事で大量に傷こさえまくって帰ってきてたろ」

「…………。」



確かに、身体に負った傷は結構深かったらしく未だに包帯は取れないし完治もしていない。けど、帰ってきた日曜の日にミルキ兄さんとは会わなかったはずなんだけど。また監視カメラハッキングして見てたんだろうか。
そう思いながら、僕は椅子からはみ出るくらいの巨体をした兄の背を見つめた。
次兄であるこの兄は、なんやかんやで優しい。言い方はぶっきらぼうだけど、結構弟・妹である僕たちには甘い。
そんな兄を相談相手に選んだのは、あまりお母様に心配をかけたくないからでもある(この兄はそこまで心配性ではないし口も軽くない)し、何より博識な兄の頭脳を借りたかったのが大きな理由だ。
この次兄は頭がいいので、武器製造・情報収集だけでなく、国立病院の医師にも負けないくらいの医学の知識も持っている。
まぁ、うちにはゾルディック家専用の主治医もいるにはいるけど、それだと確実にお母様の耳に入るからなるべく避けたい。
て言うか、正直気のせいとか思い過ごしとか、僕の勘違いだと思いたい。何かの間違いで話が終わるなら、それが一番いい



「でも普通に考えたら、月曜と日曜を勘違いしてたってのが一番有力なんじゃねぇの?」

「そう、ですよね……」



言いたいことは分かる。けどそれは絶対にない。
何故なら日曜日は、その日は、死んだフェイタンの葬式だったからだ。















――― あの日、あの日曜日、フェイタンは死んだ。


団員の皆が来てくれた時には既に遅かった。
シャルナークに言わせると即死だっただろうとのことだったが、正直僕にはどっちだってよかった。
即死であれ何であれ、どちらにせよフェイタンが死んだことには変わりないのだから。

彼の葬儀は静かに行われた。
逆十字の墓にたむけられた花。
灯された沢山の蝋燭。
誰も泣かなかったのに、僕だけは泣いてしまった。
皆辛いのを我慢してるのに、僕だけは我慢できずに泣いてしまった。
フェイタンの墓の前で、僕はただ泣き続けた。
何故旅団の先輩でしかなかった彼にそこまでと言われても、正直僕にもよく分からない。
でも、それでも、確かに彼は旅団の人で、僕の家族ではなかったけれど、それでも、とても大切な人だったと思うのだ。
ムカつくところもあったけど憧れだった。内緒だけど尊敬だってしていた。なのに、そんなにすごい彼が、どうして。

そう思って泣き続けていたけれど、ずっとそうであるわけにはいかなかった。
葬儀が終わった後、団長は旅団員達に静かに仕事終了を告げた。
目的は達成したと、お宝は手に入れたと、そう言って。
そのまま幻影旅団の団員は有無を言わさず解散となった。
仕事がなくなり、メンバーも散り散りになったあとでは、僕もそれに従うしかなかった。
そうして家に帰ってきた。
それが僕が過ごした日曜日の全てだ。


……暗い話になってしまったが、とにかくそんな衝撃的だったあの日曜日を、勘違いしているはずがないのだ。






僕の煮え切らない返事のせいだろう。
僕が頭では納得していないと、そう思っていると分かったミルキ兄さんは、真面目な顔をしてようやくこちらに視線を寄越した



「お前の言ってることが真実だと考えるなら、記憶喪失だな」

「……ですよね」



そのくらいなら僕も思いついた(認めたくないけど)。て言うかそれ以外思いつかなかった



「まぁ記憶喪失つっても種類は色々あるんだよ。『ここはどこ?私は誰?』な、お約束の逆向性健忘から『~したところまでは覚えてる……』て感じで一定期間だけが思い出せないパターンまで幅広く。お前の場合は後者だよな?」

「はい。そうです」



そんな風に頷く僕を見ていた兄は、顎に手を当ててからどこか考える素振りを見せた



「記憶喪失ねぇ………。でも、そう言われたところでどうにか出来るもんでもないし。なんなら病院にでも行け」

「いえ、病院は結構です」



注射や薬ならまだいい。でもあんまり大ごとにすると、お母様が心配する。
そんな僕の心境を分かりきっているのか、ミルキ兄さんもあえて無理には進めてこなかった



「……まぁとりあえず、様子を見てみるしかねーだろ」

「……はい」



全く解決にならなかったけれど、確かにどうしようもなかった。
諦めた僕は正座を崩して立ち上がり、兄の部屋からおいとました。





















兄に話を聞いてもらった後、少しは気が紛れたようにも感じたけれど、やはり僕の心は沈んだままだった。
何をする気にもなれず、何をする宛もなかった僕は、のろのろと自分の部屋のドアを開けて、ポスリと自分の部屋のベッドに寝転がった。そして眼を閉じる。まるで悪い夢から逃げるように



「……大丈夫。きっと大丈夫」




また記憶が消えてしまうかもしれない。いや、もうこれで、目覚めることはないのかもしれない。
そんな一抹の不安が頭をよぎる。けれど、そんな不安から逃げるようにして、僕はそのまま浅い眠りについた



















****************************




腹に穴あけられて拷問されて、それでもお互いに憎まず普通に情報交換取引やって、しかも武器まで作ってあげるミルキは普通にいいおにーちゃんですよね(金はとるけど)






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  1. 2014/07/04(金) 13:43:15|
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