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狂乱壊
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今日、君は家出する、僕は巻き込まれる。

『僕、君』シリーズの続きその④

原作に沿ってはいますが設定は色々改竄しています












僕とフェイタンの入れ替わり生活が始まり三週間が経過した。
その中で分かってきたルールがいくつかあるので一応あげてみる。現在、僕らの状況はこんな感じである。



・一日ごとに人格が入れ替わる。
・表に出ている間の記憶しか残らない。
・記憶の共有はされない。
・入れ替わる時間は午前4時ジャスト。
・フェイタンは僕の念能力しか使えない。



と、把握しているのはこんな感じである。

入れ替わる時間帯については意識のあるなしに関わらず、その時間になると強制的に意識が入れ替わる。例え4時まで起きていようが誰かと戦っていようが何をしていようが、延長や例外はなく強制的に入れ替わる。これを避けて一日以上入れ換わらずいる方法は今のところ見つかっていない。
ちなみに、これは僕ではなく既にフェイタンによって発見されていた法則だった。ずっと起きていても、必ずこの時間には意識がチェンジするのだと言う。て言うかあの人いつも何時に寝てるの何時に起きてるの一日何時間睡眠なの。フェイタンが不規則な生活してるおかげで僕常に眠たいんだけど。睡眠不足で身体の成長が止まったらどうしてくれるの。
あ、だからあの人背ぇ低かったのかな。寝る子は育つって言うのに。
あと、僕の身体だからか、フェイタンは元々の自分の変化系の能力は使えず、僕の念能力しか使えないらしい。それも樹海に入り浸っていた時に立証済みのようで、フェイタンとしての能力はどうやっても使えなかったそうだ。まぁ自分の能力が使えなくても僕の能力は使えるんだし、最悪誰かに狙われてそのまま殺されるってことはないと思う。それに彼が他人である僕の能力をどこまでマスターしてるのか知らないが、どうせ彼のことだ。既に僕並みか、僕以上に使いこなせるようになっているんだろう。くっそ腹立つ。



とまぁ、そんなルールの上で、僕たちの奇妙な共同生活は続いていた。






そして、その三週間目に事件は起きた

















『――― 家出した。もう無理ねあの家、息が詰まる』



あー……うん。




ボイスレコーダー越しにそう言ったフェイタンの言葉に、僕は思わず天を仰いだ。



















ボイスレコーダーに入っていた声はそれだけだったので詳細は不明だが、フェイタンの簡潔な言葉からして、多分家族の誰かと喧嘩して出てきたんだろう。そう思いながら、僕はため息をついた。家族大好きなこの僕が、フェイタンの……つまりは僕を巻き込んでの家出について何故ここまで冷静なのか。それを多分疑問に思う人もいるだろうが、別に僕は怒ってなかった。
確かに、フェイタンの物言いは主人格である僕を顧みない自分勝手はなはだしいものではあったけれど、僕は怒ると言うよりは納得と言うか、若干諦めにも似た気持ちでいた。
て言うか、目覚めた場所が家の中でも庭でもミケの毛並の中でもなかった時点で既になんとなく察していた。
と言うより、そのうちやるだろうと思った。







だってフェイタンだもん。



あの自由人と言うか自分勝手と言うか気まぐれ気ままに生きてるフェイタンだもん。屋敷での生活一日目でお母様に暴言吐いて挙句殺そうとしたフェイタンだもん。
由緒正しい僕の家のしきたり守って、食事のマナーとかお稽古とか……とにかく色んな決まりごとがあるあの家で、上手いこと僕として問題なく立ち回れるなんて思ってなかった。て言うか初日の悲惨な結果から諦めていた。
だから、いつかこうなると思っていた僕はそんなに怒ってなかった。

むしろ、よく今まで頑張って我慢してたなと誉めてやるべきだろうかとさえ思う。(まぁ三週間と言っても、僕がその半分を受け持っていたので、フェイタンが僕の家にいたのは正味一週間ちょっと、そのうちの一週間は庭で過ごしていたので実際のフェイタンが家で過ごしたのは約2~3日程度なのだけれど)




――― ホント、フェイタンが僕の身体に宿ってから僕の家庭事情は散々だった。
そりゃそうだ。事情を少しだけ知っているミルキ兄さんはともかく、他の家族は僕の身体に起きた異変など知らない。他の家族からすれば、いつもは大人しく礼儀正しく文字通りの良い子だった僕が、いきなり態度も口も悪くなってやさぐれれば、扱いにも困ると言うものだ。一応、多重人格うんぬんのことは家族には内緒にしたまま、ミルキ兄さんが『カルトは反抗期』と言うことをそれとなく家族に話してくれた(らしい)おかげで、それほど深刻なこと(インナーミッションとか勘当とか)にはなっていないが、家族から向けられる視線や意識が今までと全く違うせいで僕の家での肩身の狭さは半端なかった。
お父様とお祖父様は何も言ってこなかったけど、なんか反抗期の娘にどう対応していいか分かんないような悲しげな視線を向けられるし(これ絶対フェイタン何か言った……!!)、執事達もなんか僕に対する態度が微妙にぎこちない……と言うよりどっか怯えていたし(何したのフェイタン)。お母様と大喧嘩したのは知ってたのであの後「カルトちゃんが反抗期に……!!」とか言ってたお母様を何とかフォローと言うか言い訳しようと頑張ったけど、次の日になったらその僕の一日分の努力をぶち壊すようにフェイタンがまたお母様に何かやらかしたらしく、以降顔を会わせるたびしまいには「カルトちゃん……何か困ってない……?不満はない……?」とか凄く気を使われるし(ホント何したのあの人)、ホントもう散々だ。


イルミ兄さんは仕事で家を空けていて、ミルキ兄さんはそんな僕を遠目から見ていただけだったらしいので兄達に実害はなかったそうだけれど、とにかく、僕の身体に入っても、やっぱりフェイタンはフェイタンだった。つまるところ、僕の身体になっても僕に遠慮するどころか自分の思うがままやりたい放題だった。ミルキ兄さんに「昨日のお前が何したか知りたいか?」と聞かれたけれど、もう途中から丁重にお断りすることにして何も聞かなかった。どうせろくなことやってないから。







だってフェイタンだもん。


人の家族に僕の身体でやりたい放題してくれて、その事ボイスレコーダー越しに凄く怒ってもガン無視するフェイタンだもん。どれだけ本気で怒っても、どうせ彼との縁は切りたくても切れないし殴りたくても殴れないので、どうせ折れなきゃいけないのはこっちなんだもん。だったら怒るだけ無駄というものだ。むしろ、これ以上家族に僕の姿で暴言暴挙好き勝手される心配がなくなったのだと喜びさえすべきだろう。









………もしかして、悟りを開くとはこう言うことだろうか。

ははは。何かもうどうにでもなればいい。














長年家族の前で必死に培ってきたイメージをぶち壊された僕にもはや怖いものなど何もなかった。














半場投げやりになりながら、イヤホンを耳からちぎりとるように外す。



(さて、これからどうしようか。)



家がどんな事になっているのかは考えないようにして、前向きにこれからのことを考えようと頭の中を切り替える。辺りを見渡すと、どうやらどこか人目につきにくい空き家のようで、ところどころ崩れた壁の穴から外の景色を見る限り、どうやらここは地元ではない。多分昨日、フェイタンは家から出来るだけ離れようとしていたのだろう。持ち物はボイスレコーダーと携帯だけ(せめて財布くらい持ってきてほしい)だし、旅団の活動もない。家に帰る訳にもいかないし、かと言ってどこにも当てがないのでう~んと唸っていると、突如として携帯がなった。誰だろうと無造作に携帯の表示を見てみると非通知だ。よく分からないがとりあえず出てみることにした。



「………もしもし?」

『カルト?』

「に、にいさま!?」



それは、珍しく、と言うか明らかにはじめてにも近いキルア兄さんからの電話だった。
どうしてこんな時にと言う驚きと、沸き出てきた嬉しさや恥ずかしさなんてものは一瞬だけ。その代わりに湧き出てきたのは一抹の不安である。



………まさかフェイタン、キルア兄さんにまで何かしたの………!?



しかし、頭でそんなことを考えている間に、携帯から響いてきたキルア兄さんの言葉は予想外中の予想外、期待を裏切るこの一声から始まった



『――― 今までごめんな。』

「………。ふぇ!?」

『まさか……お前がそんな風に思ってたなんて俺、全然知らなくて……』

「い、いぃえ!?お気になさらず……!?」



何かよく分からないが全然よく分からないが、何故かキルア兄さんが気まずそうに申し訳なさそうに謝ってくるので必死に電話越しに首を横にふった。



あぁもうコレ絶対昨日の僕が何したに違いないんだけど何したか分かんないからなに言えばいいのか全然分かんない!!せっかくキルア兄さんからの電話なのに!!



しかし、そんな一生に一度あるかないかのキルア兄さんからの電話は、更に驚きの展開を巻き起こした



『これからはちょくちょく連絡するよ。あ、勿論家の奴らには内緒な』

「へ!!?……っは、はいっ!!お待ちしてますっっ!!」

『そのうち……そうだな……飯とか、行こうぜ』

「ふぇ!?……は、はいっあ、あの……っ喜んでっっ!!」

『あとさ、出来たらアルカとも、仲良くしてくれないか。色々思うトコあるだろうけどさ、俺にとってはお前もアルカもどっちも可愛い妹なんだ』




『じゃっ』と、そのあとは酷く簡潔に切られた。
用件だけのように素っ気ない感じにも聞こえたが多分照れてたんだと思う。普段のキルア兄さんなら絶対僕に言わないだろう台詞のオンパレードだったし、僕自身、その電話で言われた言葉が信じられなくてしばらく携帯を耳に当てたまま呆然としていた































「―――………うわあああぁぁぁぁぁ!!!??」



















思考が停止してどのくらいたっていたのか知らないが、とにかく我に返った僕はあまりのことにとりあえず叫んだ。て言うか吠えた。



「うわーー!!うわーー!!うわあああぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!!??」



何!?何!?何が起こったの!?


あのキルア兄さんが僕に電話!!?また連絡する!!?つまりまた電話してくれる!?やった嬉しい!!



て言うかご飯いこう!!?可愛い妹!!?え!!?何!?どゆこと!!?








パニックになり、ガラにもなくボロ家の中をウロウロとグルグルと回った後、僕はハッと思いつき、先ほどむしるように取り外したイヤホンとボイスレコーダー今度は勢いよく引っ張り出した。
いきなり態度が豹変した兄の原因など、記憶にないいざこざの原因などもうこいつしか有り得ないからだ



「何したのさフェイタン!!」



お父様やお母様だけでは飽き足らず兄さんにまで!!しかもキルア兄さん!!
勢いに任せるだけ怒鳴りつけるように「どういうことだ」とボイスレコーダーにフェイタンへのメッセージを残すと、次の日に入っていたのはこんな一言



『あぁ。お前のカゾクの所為でなんかもうむしゃくしゃしたし、はらただしいのと暇潰しにキル兄さんとやらに電話して超高音ボイスで「お兄様のばかぁーーーっっっ!!!どうしてカルトに構てくれないの一緒にいてくれないのカルトだてお兄様のこと大好きなのにっっっ!!お兄様と遊んだりお出かけしたりご飯食べたり仲良くしたいのにっっっ!!!うあああぁんっ!!!アルカばかりずるい~~~っっっ!!!」て叫んで携帯越しに嘘泣きしてみた』

「何やらかしてくれてんのあのバカアアアアァァァァッッッッッ!!!???」





あれだけ!あれだけ!!キルア兄さんの連絡先には連絡しないでって言ったのに!!アルカの事は話題にも出さないでって言ったのにーー!!!






しかし、ボイスレコーダー越しにそんなことを叫んだところで僕の中のフェイタンに届くわけもないのだけれど、とにかく気づいた時には叫んでいた。
しかし、家で何度も色んな悶着があったせいか、フェイタンにそんなお願いしたところで無駄なんだろーなとも心のどこかで思っていた。
やるなと言われたらやるし、押すなと言われたら押すし、言うなと言ったら言っちゃう人だ。フェイタンは。
何かもういちいち怒るのもバカらしくなってくる……


















にしても……




先ほどの、兄さんからの思わぬ一言が思い出される



「………可愛い妹、かぁ。」




思い出すだけでもふにゃりと頬の筋肉が緩んでしまう。
初めて、フェイタンに感謝してもいいかもと思えた日だった。


























**********************





ちなみに、カルトちゃんはボイスレコーダーでの家族の紹介に一人につき10分以上語っている。ので、フェイタンは途中から聞いてない
カルトちゃんがキルアの携帯番号知ってるのかは知らないけど、きっと知ってるよね多分




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  1. 2014/07/04(金) 14:34:37|
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