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狂乱壊
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暗黒にして残酷な執事が知った一般常識と気付いた異常

執事パロのつづきその⑤










この世界は不条理だ。
この世界は理不尽だ。
この世界は不平等だ。


それは、知りたくもないこの世の真実だった。














































私が執事としてこの屋敷に住むようになってから、覚える事は次第に増えていった。執事としてのスキルを覚える傍ら、戦闘スキルまで一から叩き直され、その一環として庭番まで任されるようになった。しかし、庭番と言えどすることが何もない。ただ立っているだけですむ。庭番のすることはたった一つしかないからだ。『万が一、試しの門をくぐりぬけてきた侵入者を排除すること』。つまり、その『万が一』がなければただボーっと突っ立ってるだけの仕事だった。しかし、その内容を初めて聞いた時、なんて楽な仕事だと思う反面、初めてこの家に些細な疑問を抱いた。そして、庭番は極めて退屈な仕事でもあったため、私は一人ぼんやりとその些細な疑問について考えるようになり、ある結論にいきついた。

この家は、どこかおかしい。

始めのうちは『桁外れな金持ち』くらいの認識しかなかった。広大な庭に大勢の執事、執事用に与えられた専用の屋敷はそれだけで豪勢で、番犬と言う名の獣まで庭に放し飼いにされている。本邸はこの広い敷地のどこかにあるらしいが、私は行った事もないしそもそもここの家の人間の顔すら知らない(カルトの顔は知ってるが)。だから、この家のことは『桁外れな金持ち』という認識しかなかった。

けれど、この家は普通の金持ちの家とはどこか違った。

ニュースで映る金持ちは、毎日毎日パーティだのお茶会だのを開いては同じ金持ちを家に招くことが多いようだった。派手な事を、金がかかることをすればするほど、自分の裕福さを誇示することが出来ると言わんばかりに。けど、どのニュースに映るどんな金持ちもこの家よりは劣っていると思う。にも関わらず、同じ…と言うか世界でも有数だろうこの途方もない金持ちの家にはあまり人が来ない。たまに来る者がいたとしてもそれは試しの門にいる門番か侵入者かのどちらかで、後者であればそれは殺せと言われていた。


どこかおかしい。何かおかしい。この家は。


あの流星街で生きてきた私は『邪魔者は殺す』と言う思考が染みついていたから最初それを疑問にすら思わなかったが、ニュースや本、クロロたちによって入ってくる『世間一般』の世界に触れてからは、自分のいたあの流星街が普通ではなく異常だと知った。が、それと同じくらいこの家も異常なのだと言うことに気づいた。樹海の中はトラップだらけだし、試しの門を正式に通らなければ獣に食い殺される。おそらく、テレビに映るような富裕層の人間が来てもおそらく執事の屋敷にまでたどり着けずに死ぬだろう。来客ではなく侵入者。そして、その侵入者も安全を保障せず躊躇なく殺す。客は来ない。例え誰であろうが実力がなければ死んでもやむなし。ここは、そんな場所だった。


この家は、『世間一般』と比べ、どこかおかしい。





そう気づき始めたころだった。























庭番から屋敷に戻ると、休憩の時間だと言われたのでドサリと館内のソファに座る。庭番はいつものようにただ突っ立っているだけだったので特に体力を使ったわけではない。けれど、だからこそ突っ立っていただけの時間がひどく長く感じた。私の他にも休んでいる者がちらほらいて、私の一番近場にいたのは眉なしだった



「よ。お疲れ」

「………。」

「おい。“お疲れ”くらい言え」

「うるさいね」

「ったく、人がせっかく良い事教えてやろうと思ったのに………」

「お前の“良い事”なんてどうせろくな事じゃないね」

「この屋敷の近くにカルト様が来てるらしいぜ~」



“カルト”



何も言わずに立ち上がろうとしたら、まるで分かっていたかのようにガシッと肩を掴まれる



「何ね、離せ」

「どこ行く気だよ」

「便所」

「嘘つけ。どうせカルト様んトコ行く気だろ。やめとけやめとけ。マチとシャルナークが付き人してっから、バレたら殺されっぞ」

「………。」



確かに、マチはヤバい。



「“カルト様”って言やぁ眼の色変えやがって。大好きか」

「アホか。大体あの小娘、何しにここに来てるね」

「“カルト様”な。多分、修行だろ」



「何の。」問う前に、勢いよく近場の…屋敷の玄関の扉が開かれた





「――― 抗生物質と解毒剤用意して!早く!!」



聞いたことも無いような、マチの切羽詰まった声に、ピリリと屋敷の空気が一瞬ではりつめたものになったことを知る。マチの隣に立つシャルナークが抱えている子供がカルトなのだと気づいても、私は何が起こったのか分からず何の反応も出来なかった。しかし、私と話していた眉無しはこんな状況になった時の対応方法を知っているらしい。何も話すことなく説明することなく立ち上がり、踵を返して足早に薬品庫に向かうと、沢山種類のある抗生剤の中から慣れた手つきで数種類取り出すと今度はどこかせわしない足取りでとある部屋へと向かった。状況が掴めないながらもとりあえず眉無しに着いていくと、眉無しが部屋へと入っていく。私もそれに続くとその部屋には既に他の執事たちが集まっていてベットの周囲を囲んでいた。その輪の中に入り、渦中の真ん中にいたのはやはりカルトだった。が、何が様子がおかしい。眼を開く様子もない反応がない。シャルナークが点滴を刺していて、クロロがカルトに人工呼吸を行っていた。
それが何を示しているのか、以前の私なら分からなかっただろうが今なら分かる。
クロロたちがカルトに行っているのは蘇生法だ。つまり、カルトが息をしておらず生きるか死ぬかの瀬戸際と言う事だった。
「邪魔」だと言われ、誰かの肩が当たり軽くよろける。いつもならそれを咎め軽く言い争うはずなのに、その時の私は何も言い返せず言われた通り邪魔にならない位置に移動し、息を吹き返し苦しみ続けるカルトをただジッと見つめていた。その時は、ただ『死にかけている人を助けようとしている』様子と言うものを初めて見たから物珍しさから見ていただけだけれど、後から冷静な頭で考えてみると、何故カルトが死にかけていたのか、そして何故死にかけているカルトに対し誰も狼狽えもせず、それどころか対応が手馴れているのか。謎だらけだった。
















――― どうやら危ない峠を乗り越える事が出来た。らしい。



緊迫した空気がほどけ、一段落して落ち着いたところで、私は何故カルトが死にかけたのかを、その時たまたま傍にいたシズクに尋ねた。あんな金持ちの箱入り娘でしかないカルトが、大事に大事に大事に育てられているようにしか見えない小娘が、死にかけるような危険な目にそうそう合うとは、合わされるとは思えなかった。しかし、シズクはアッサリ私のその予想を打ち砕いてくれた



「投与された毒が強すぎたせいで死にかけたんだよ」

「毒?」



あんな金持ちの箱入り娘に、毒?
一体誰が?刺客か?暗殺者か?

そんな可能性を脳内で予想はしてみたけれど、シズクはまたアッサリとその予想を打ち砕いてくれた



「そう。訓練の一貫で」

「………訓練?」

「うん。拷問訓練」



………は?



一瞬、シズクが何を言っているのか頭の中で全くかみ合わなかった。しかし、シズクは相変わらずマイペースにのんびりと答える



「本家の屋敷じゃよくあることだよ。さすがに今回みたいに執事の屋敷近くで起こることは少ないけど」



と事も無げに言ってのけた。
けれど、やはり私には意味が分からない。
しかし、カルトは家ではいつもそんな扱いだと言う。
毎日のように毒を服用し、毎日のように拷問に耐え、毎日のように技術を磨いているのだと言う。両親の言いつけによって
「技術とは何の技術か」「両親はそんなことをさせてカルトをどうしたいのか」。そんな私の質問に、シズクはまるで当たり前みたいに常識を語るみたいにアッサリ即答した



「暗殺者としての技術を磨くため」



…………はぁ?



「カルト様は、毎日そんな修行生活を送ってるの」



なんだそれは。



カルトが、あの貧弱な小娘が、家でお茶だお花だ淑女のたしなみだとか言われて毎日稽古事に励んでそうなカルトが、暗殺者としての技術?修行?
全く予想とは裏腹の、裏の更に斜め上の回答に、私は思わず眉を潜めた。私がここに連れて来られて強制的に修行を課せられ鍛えられたのは執事になる為だ。執事とは、主と定めた人間を守るための存在だ。私はカルトを守るためにここにいて、ここで鍛えられている。本意ではないが。そして、シズクもその執事の一人だ。カルトを守るために存在している。きっとシズクも声に出しては言わないがカルトを大切に思っているのだろう。いつもと同じのんびりとしたその声がどこか暗く、表情が浮かないその様子を見て何となくわかった。だからついでに尋ねた



「………シズク、お前の掃除機て毒吸い出せるとか言てなかたか」



念能力の存在は教えてもらった。執事修行の一環として私も習いある程度使えるようになったし、ここの執事は全員使えることも知っている。だから、同じカルトの執事であるシズクの念能力にはそんな能力があることも知っていた。カルトを助けたいなら、毒に侵されたカルトを癒す力があるなら、こんなところでくすぶってないでさっさと行って吸い出してくればいいのに。そう思ったからこそそう言ったのに、それでもシズクは静かに首をふりそれを拒否した



「毒を吸い出すことは出来るよ。でも、それだと身体に抗体が出来ないから、したくても出来ないの」

「は?」

「毒を自分から口にするのは、致死量ギリギリの毒で身体に耐性をつけて毒の効かない身体にするためだから。御両親の教育方針なの」



聞けば、カルトが物心ついたころから、幼少期からそうなのだと言う。
毒を飲まされ、拷問される。
けれどそれは教育ではなく、虐待の域なのではないだろうか。
が、どんなに危険な修行だろうが、カルトの父親であるゾルディック家当主とその妻であるゾルディック家当主婦人が決めたことであれば、もう使用人である自分達には手の出しようがないのだと言う。「確か法律と言うものには、家庭裁判所と言うものがあったのでは無いだろうか。」一般常識の知識を引きずり出しそう思いもしたけれど、「ゾルディックの人間が警察なんかに行ったら多分逆に捕まっちゃうよ」と言われた。話が噛み合わないし意味が分からない。被害者が何故加害者扱いされるのだ。
「ではカルトの両親が何のためにそんなことをカルトに強要するの」かと問うと、やはりシズクは事も無げに、ここで働く者が最低限知っていなければならないことが大前提条件の初歩的知識をこう述べた



「そりゃあ、カルト様を立派な暗殺者に育て上げるためだよ」



なんだそれは。



「ここは、ゾルディック家は世界でも有名な暗殺一家だから」























初耳だった



































**************************


『一般常識』を身に着けるように言われたフェイタンがカルトちゃん家が普通ではないと、カルトちゃんがただの金持ちのお嬢様ではないことを知る話


フェイタンは執事修行に忙しかったのとカルトちゃんの身の上などてんで興味なかったのとで『ゾルディック家』を知るのが遅れた。周りの奴らも『自分たちの職場=伝説の暗殺一家ゾルディック家』の認識が当たり前すぎて教えるの失念してた。







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  1. 2014/10/25(土) 08:53:24|
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