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狂乱壊
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運命を狂わすような恋を、女は忘れられる 3

刷り込まれていくカルトちゃん


















開いた眼に飛び込んできたのは、真っ白な部屋だった。




































何が起こったのか、何が起きていたのかさえ、分からなかった。
だから、何故自分が眠っていたのかも分からなかった。
それでも、重い体を無理矢理起こして、その部屋の中を見渡した。

白い空間。

壁もソファもベッドも、カーテンすら白い。
簡素で質素で、清潔で綺麗な部屋だった。
ここはどこだろう。そう思っても、当然だけど僕は何も覚えてなかった。
けど、そこから更に疑問に気づいた。
僕は、何も覚えていなかった。
部屋や場所だけじゃない。
僕は、自分のこと……自分の名前すら覚えてなかった。
まるで頭の中を消しゴムか何かで消されたみたいに、僕の記憶は真っ白だった。
何もわからない、何も知らない。
その事実を理解したせいで不安が頭に満ちる前に、コツリと響いたのはヒールの音。
ベッドから起き上がった僕に、見下ろすように現れたのは黒い服を着た男の人だった。
気配すらなかったことに驚きつつも、それでも眼を反らすことは出来なかった。
服によって顔の半分は隠れていたが、それでも白い肌と鋭いながらも美しい顔に気付かない訳にはいかなかったからだ



「起きたか」

「………。」

「覚えているか?」



「私のことを」。抑揚のない声でそう聞いてきた男に、僕は少し迷った挙げ句、静かに首を横にふった。
そして、戸惑いを隠しきれないまま話しかける



「………あの、貴方は誰ですか」

「………。」

「ご、ごめんなさい。僕、何も覚えてなくて、貴方のことも知らなくて………」



スゥ、と眼を細めた初対面の人に、なんだか申し訳ない気持ちになって遠慮がちにそう言った。
怒ったのかと、不快に思われたのだと、そう思った。
けれど、その思いは杞憂に終わった。
正確に言えば、彼は不快に思ったのではない。
顔が半分隠れていたが分かる。
彼は今、間違いなく眼を細めてニヤリと笑ったのだ。
その顔が怖くて、思わずビクッと肩を震わせると、彼は何の戸惑いもなくそのまま僕を抱き締めた。
突然のことに再び驚きながらも、そのまま固まる僕に彼は囁くように言った



「私はフェイタンね」

「フェイ、タン?」

「そしてお前はカルト」

「カルト………」



初めて呟いたはずのその名前は、どこか懐かしく響いた



「私たちは恋人ね」

「こ、いびと………?」



告げられたその言葉に反応することもままならず、ただ稚拙に、その言葉を繰り返す。
甘ずっぱく響くものだと思っていた僕は、何故かその言葉がそう響かなかったことに軽く違和感を覚えた



「そう、だからこれからは………これからも、ずと一緒ね」

「………。」



「――― 愛しているよ。カルト」














そこには、フェイタンしかいなかった。
誰もフェイタンを否定しなかった。
フェイタン以外誰も何も言わなかった。
信じられる者は彼しかいなかった。

だから僕は、その言葉に何の疑いも持たず持てず、恋人の彼が言うのだからそうなのだろうと、その背に腕を回して応えたのだ

















































「――― はい。フェイタン」













































そうして、記憶を無くした僕と、恋人であるフェイタンとの、二人だけの生活が始まったのだ


















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  1. 2014/12/26(金) 20:42:02|
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